知って得する建物の豆知識 375 日本の三大美林 〝人工〟美林、主に建築用材に
住宅新報 2024年3月5日 号 9面
連載: 知って得する建物の豆知識
日本の国土は70%が森林です。森林の中でも特に優れた美観を有するものを「美林」と言い「三大天然美林」として青森県の青森ヒバ、秋田県の秋田スギ、長野県の木曽ヒノキが挙げられます。これらの森林は長い年月を掛けて大きく成長しており、良質な木材として利用価値が高いだけでなく、美しい景観を楽しむことができる観光資源としても注目されています。一方、「三大人工美林」は長野県の天竜スギ、三重県の尾鷲ヒノキ、奈良県の吉野スギが挙げられています。いずれも、樹種としてはヒノキ、スギ、ヒバということになり、建築用材が主な用途です。
「ヒバ」はヒノキ科アスナロ属の樹木で湿気に強く強度があるため、古くから神社仏閣などの建築材料として使用され、平泉の「中尊寺金色堂」、弘前の「弘前城」は代表的な建築物です。ヒノキは独特の香気があり、構造材から造作材まで幅広い高級木材として使われます。スギは材種としては柔らかく、めり込みや傷が発生しやすいことから、構造材ではなく仕上げ材として使われます。今般の能登半島地震で倒壊した伝統的な民家の外壁にはスギの南京下見板仕上げを多く見ました。
林業経営では適材適所をもじった「適地適木」という言葉が使われます。これは、山のどこに何を植えるか、という言葉で、基本は「尾根マツ、沢スギ、中ヒノキ」とされます。尾根の痩せた土地にはマツ、沢筋の肥沃な土地にはスギ、その中間にはヒノキを植える、と言う教えです。

























