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住宅新報 2024年1月16日 号 9面

連載: 2024宅地建物取引士受験セミナー

資格・実務
2024宅地建物取引士受験セミナー(1)

【問題1-1】

 制限行為能力者に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

(1)未成年者AがBに金銭を貸し付けている場合、Aは親権者の同意を得なくても、Bから当該貸金の領収をすることができる。

(2)成年被後見人Cが自己所有の土地についてDと売買契約を締結した当時、完全な意思能力を有していたときは、Cは当該売買契約を取り消すことができない。

(3)未成年者Eの法定代理人Fが被保佐人である場合、Fが、Fの保佐人の同意を得ずにEの法定代理人としてEの不動産を売却したときは、Eは当該売却行為を取り消すことができる。

(4)被補助人Gが所有する事務所を補助人Hが売却する場合、Hは家庭裁判所の許可を得なければ、当該売却をすることができない。

【問題1-2】

 AからB、BからCへとA所有の甲地が順次売買された場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

(1)Aが差押えを免れるため、Bと通謀してBに甲地を売却し登記を移転した場合、Cが善意であっても、Cからさらに甲地を買い受けたDが悪意であれば、DはAの甲土地の返還請求を拒むことができない。

(2)AがBの強迫により甲地を売却し、Bが甲地をCに売却した場合、AはCが善意でかつ過失がなければ、Cに甲地の返還を請求することができない。

(3)Aの意思表示が意思表示に対応する意思を欠く錯誤に基づくものであり、その錯誤がBとの売買契約の目的及び取引上の社会通念に照らして重要であるときは、その意思表示を取り消すことができるが、AはCが善意でかつ過失がない場合、その意思表示の取消しをCに対抗することができない。

(4)AB間の契約がBの詐欺による場合、Aに重大な過失があれば、Aは、AB間の契約を取り消すことができない。

【問題1-3】

 Aが、Bの委任状を偽造してBの代理人としてCにB所有の甲土地を売却する契約を締結し、移転登記をした場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

(1)Cは、Aに代理権がないことを知っていた場合でも、Bの追認がなされるまでの間であれば、当該売買契約を取り消すことができる。

(2)Bが当該売買契約を追認すると、当該売買契約は、別段の意思表示がない限り、当該追認の時から、その効力が生じる。

(3)Bが異議をとどめないでCから代金を受領した場合でも、Bは当該契約の無効を主張することができる。

(4)BがAを相続した場合、当該無権代理行為は、その相続により当然には有効とならない。

【問題1-4】

 次の記述のうち、民法の条文に規定されていないものはどれか。

(1)利息を生ずべき債権について別段の意思表示がなければ、その利率は年5分とする旨。

(2)債務の履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして不能であるときは、債権者は、その債務の履行を請求することができない旨。

(3)当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができる旨。

(4)悪意による不法行為に基づく損害賠償の債務の債務者は、相殺をもって債権者に対抗することができない旨。

【問題1-5】

 時効に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

(1)時効は、当事者(消滅時効にあっては、保証人、物上保証人、第三取得者その他権利の消滅について正当な利益を有する者を含む。)が援用しなければ、裁判所がこれによって裁判することができない。

(2)催告があったときは、その時から6カ月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。

(3)時効完成後に債務者が時効の完成を知らず債務の承認をした場合、以後、その債務について時効を援用することができない。

(4)債権は、債権者が権利を行使できることを知った時から10年間行使しないときは、時効によって消滅する。

【問題1-1】 正 解 (3)

(1)は誤り。

 貸金の領収は、債権が消滅することになり、単に権利を得る行為に当たらず、親権者の同意を得なければ貸金の領収をすることができない。民法5条1項。

(2)は誤り。

 成年被後見人が法律行為を行った当時、完全な意思能力を有していても当該法律行為を取り消すことができる。同法9条。

(3)は正しく、正解。

 法定代理人である被保佐人が保佐人の同意を得ないで法定代理人として不動産を売却した場合、本人であるEもその行為を取り消すことができる。同法120条1項。

(4)は誤り。

 成年後見人、補佐人、補助人が制限行為能力者の居住用建物・敷地について売却等を行う場合は、家庭裁判所の許可が必要であるが、事務所は不要である。同法859条の3、876条の8参照。

【問題1-2】 正 解 (3)

(1)は誤り。

 通謀虚偽表示がなされた場合、いったん善意の第三者Cが登場すれば、その後の転得者Dが悪意でも、転得者Dは、第三者Cの地位を承継して保護される(大判大3.7.9)。したがって、DはAの返還請求を拒める。民法94条。

(2)は誤り。

 強迫による意思表示の取消しは善意でかつ過失のない第三者にも対抗することができる。同法96条の反対解釈。

(3)は正しく、正解。

 意思表示が意思表示に対応する意思を欠く錯誤に基づくものであり、その錯誤が法律行為の目的及び社会通念に照らして重要であるときは、その意思表示を取り消すことができるが、その意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。同法95条1項・4項。

(4)は誤り。

 相手方が詐欺を行った場合は、表意者は常に意思表示を取り消すことができる(同法96条1項)。重大な過失があった場合も取り消すことができる。錯誤による意思表示と区別すること(同法95条3項)。なお、詐欺による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者には対抗できないことに注意。

【問題1-3】 正 解 (4)

(1)は誤り。

 本人の追認がなされるまで、その契約を取り消すことができるのは、相手方(C)の善意の場合に限られる。民法115条。

(2)は誤り。

 追認は、別段の意思表示のないときは、契約の時にさかのぼってその効力を生じる。同法116条。

(3)は誤り。

 異議を留めないで代金を受領した場合は黙示の追認をしたものとみなされ、無効を主張できない(民法116条)。法定追認(同法125条)は、無権代理には類推適用できない。最判昭54.12.14。

(4)は正しく、正解。

 本人が無権代理人を相続した場合、無権代理行為は当然には有効とならない(最判平10.7.17)。本人が無権代理人を相続した場合、追認を拒絶しても不当とは言えないからである。

【問題1-4】 正 解 (1)

(1)は規定されていないので、正解。

 利息を生ずべき債権について別段の意思表示がないときは、その利息が生じた最初の時点のおける法定利率による。法定利率は年3%とする。民法404条1項・2項。

(2)は規定されている。

 債務の履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして不能であるときは、債権者は、その債務の履行を請求することができない。同法412条の2。

(3)は規定されている。

 当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができる。同法536条1項。

(4)は規定されている。

 悪意による不法行為に基づく損害賠償の債務の債務者((加害者)は、相殺をもって債権者(被害者)に対抗することができない。同法509条1項。

【問題1-5】 正 解 (4)

(1)は正しい。

 時効は、当事者(消滅時効にあっては、保証人、物上保証人、第三取得者その他権利の消滅について正当な利益を有する者を含む。)が援用しなければ、裁判所がこれによって裁判することができない。民法145条。

(2)は正しい。

 催告があったときは、その時から6カ月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。同法150条1項。

(3)は正しい。

 時効完成後に、債務者が時効の完成を知らず債務を承認した場合、以後、その時効を援用することは信義則に反するのでできない。最判昭41.4.20。

(4)は誤りで、正解。

 債権は、債権者が権利を行使できることを知った時から5年間行使しないときは、時効によって消滅する。同法166条1項1号。

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