ADR相談からみる 事業者のためのトラブル事例 ――傾向と対策 【第6回】離婚と住宅ローンに関するトラブル
住宅新報 2023年12月12日 号 9面
連載: ADRの現場から

離婚と住宅ローンに関するトラブルも、不動産が関わるケースは決して少なくありません。最も多い事例としては、夫婦共働きの世帯が共有名義で住宅ローンを組んで家を購入したが、その後離婚をしてしまうという結末を迎えた場合があります。このようなケースでのスムーズな解決策は、(1)住宅ローンを繰り上げて返済してどちらか一方の単独名義にする、(2)家を売却する、といった方法がありますが、実際には繰り上げ返済をするだけの貯蓄がない、または売却してもオーバーローンとなってしまうなど、ハードルの高い解決策になります。したがって、夫婦できちんと持ち家に関する取り決めを行い、折り合いをつけるという解決策をとる方が大半といえます。
離婚と住宅ローンに関するトラブル解決事例としては、(1)「所有権が夫婦共有で、ローンも夫婦の連帯債務であったため、了承した夫一人に所有権とローンを一本化した」、(2)「所有権が夫単独でローンも夫単独だが、妻が連帯保証人となっていたケースでは、妻の保証を解除する為、夫単独で他の金融機関に借り換えを行った」、(3)「所有権が夫単独でローンも夫単独であったが、妻に『そのまま住み続けたい』という意向があったため、妻が不動産を買い取るローンを組んだ」等があります。
ここで挙げた事例のように、離婚と住宅ローンに関するトラブル解決には、改めて住宅ローンを活用するのが有効なケースが多く、例えば元妻が家を引き取り、住み続けてローンを返済していくというケースであれば、月の各種ローン返済額18万円を一本化して10万円にまで抑えたり、返済期間20年を30年にすることで月々の返済額を圧縮することができた事例もあります。
























