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プレミアム会員限定紙上ブログ 不動産屋の独り言 731 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 どうにも好きになれない入居者 どんなときでも責任転嫁では…

住宅新報 2023年12月5日 号 6面

連載: 不動産屋の独り言 〜賃貸現場の喜怒哀楽〜

売買・賃貸仲介
紙上ブログ 不動産屋の独り言 731 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 どうにも好きになれない入居者 どんなときでも責任転嫁では…

 郊外の古いアパートでエステの店舗をやっている女性がいる。私は好きになれない。なぜなら、何かにつけて家主や私、施工会社に責任転嫁してくるからだ。「それは、私がやらないといけないんですか。建付けや構造の問題ではありませんか。そんなことにお金を払うつもりはない。そちらで何とかしてください」と一方的に言う。

 秋になると駐車場の車のボンネットに枯葉が溜まるが、それは隣の一軒家の木だから、こちらで勝手に枝を落としたり、要求したりすることはできない。そう伝えると、「じゃあ、枯葉を集めて隣の庭に放り込んでおきますけど、それでよろしいですね」だと。性格が悪い。仕事の腕前も想像できてしまう。

定休日に電話

 そのため、スマホに掛かってくる電話の発信者がその女性だと「次はどんなクレームだろう」とテンションが下がる。定期的に電話してくるし、ストレスを発散しているのだろうか。先日、定休日に電話があった。「キッチンの床が濡れている。たまにヌルっとした白い液体があふれていて、フローリングが変色している。お客さんからも指摘されるから直してほしい」と言う。街の設備屋にお願いすると、「写真を送ってもらったが、あれは床下からあふれたのでなくどこかからこぼれたものですね。原因が分からないと修理できないし、構造的な問題ではないでしょう」とのこと。それで、家主に連絡すると、「アパートを建てた会社に言って、見てもらってください」とのことで、リフォーム担当者を行かせたら、驚いたことに、「原因は、洗濯機の水が飛び散っていただけでした」とのことだ。

洗濯機の不調で

 なるほど。それなら白くてヌルヌルする液体がこぼれているのも納得。自分が持ち込んだ洗濯機の具合いが悪いのだから、家主のせいでもアパートを建てた会社のせいでもない。事実を突きつけられたときの顔は私も見たかった。いずれにせよ、フローリングの変色が気になる、というなら自分で負担して張り替えるしかない。この入居者、最初に「私に落ち度があるかも」とは考えず、まず「責任の所在はきっと自分以外にある。何とかお金を出さずに済ませたい」と考える。本音で言えば、出ていってもらいたい客である。(坂口有吉不動産・社長)

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