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プレミアム会員限定知って得する建物の豆知識 369 制震と免震 縦揺れ、横揺れの違いにも注意を

住宅新報 2023年11月21日 号 7面

連載: 知って得する建物の豆知識

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転がり支承イメージ

転がり支承イメージ

 最近は大きな地震が少なく、関心が薄れていますが大きな地震があるとハウスメーカーやマスコミが話題として取り上げるのが制震構造(以下、制震)と免震構造(以下、免震)です。適切な耐震設計を行えば免震や制震は不要ではないかと思われるかも知れませんが、耐震設計との大きな違いは二次被害の多寡にあります。地震で建物が大きく揺れれば家具や調度品が飛び跳ね、場合によっては人間に襲いかかってきます。食器や装飾品なども飛び散ります。地震が収まって建物に被害はないとしても散乱・破損した家具調度品の中ですぐに生活できるものではありません。免震や制震は建物自体の揺れが少ないため、本震による被害の少なさに加え、二次被害が起きにくいのが耐震設計との大きな違いです。

 制震と免震の違いですが、制震は地震などの大きな外力が構造体に加わったときに、構造体内部に組み込まれたエネルギー吸収装置によって地震エネルギーを分散・吸収させ、構造体に損傷を与えないようにするものです。例えば、構造体の一部に自動車のショックアブソーバーのようダンパーを組み込んで地震エネルギーを吸収する考え方や、構造体に外力が加わったときにエネルギーが一部に集中するように構造設計を行い、その部分にだけ損壊を起こさせエネルギーを吸収する方式、地震時の水平力と反対方向に構造体を振動させエネルギーをキャンセルさせるものなどがあります。制震は比較的規模の大きい中高層に多く採用されています。

 免震は地震の揺れによる地盤の変動を建物に伝えなくする方法で、基本的には建物の基礎下部にエネルギー吸収装置を設け、変動を逃がす仕組みです。この方式は住宅など比較的小規模な構造体に向いています。具体的には基礎と地盤の間に弾性の受けを設置して地盤の揺れを吸収する「柔軟基礎構造」と、基礎と地盤の間にボールベアリングのような回転体を入れて揺れを逃がす「機械的絶縁基礎」があります。後者のボールベアリング部分を「転がり支承(ししょう)」と言い、転がり支承のほかに「滑り支承」があります。これは、ボールベアリングの代わりに摩擦係数の少ないプレートを構造体と地盤の間に入れる方法で、比較的コンパクトで経済的なシステムです。

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