紙上ブログ不動産屋の独り言716 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 別れた奥さんが引っ越しの立会いに 仲睦まじく復縁願う
住宅新報 2023年8月22日 号 6面

夫婦ともに「子供が欲しい」と願っていたが子供に恵まれず、病院で調べてもらったらその原因がご主人にあったことと、治療ができないこと、そしてご主人が難病を罹ったことで、ご主人が「あなたは若いから、子供を産むチャンスはあると思う。他の人と結婚してやり直してほしい」と強く勧めて、2年前に離婚した元奥さんが引っ越しの立会いにやってきた。ということは、元奥さんはまだ再婚していない、ということか。憎くて別れた訳でなく、離婚後も何かと連絡を取ったりしていて互いを気遣っているようだ。そういうのは珍しい。
家主の心遣い
契約書の退去に関する約定で、「退去は1カ月以上前に告げること」とある。それからすれば8月15日まで家賃発が生するのだが、家主は「8月分の日割り賃料は結構ですよ。あと、敷金(2カ月分)もそのままお返しします。クリーニング代なんかもこちらで出しますから」と仰ってくれ、それを伝えると驚いていた。家主は、「境遇が気の毒だし、杓子定規に請求するのも気が引けるから」とのことで、その家主、そういうのは初めてのことではない。野良猫の保護をしている入居者のことで近所から、「猫が車のボンネットに乗って細かな傷が付くので餌やりを止めさせてくれないか」とクレームが入った際も、自宅の敷地に野良猫専用の猫トイレを大工に作らせたり、「猫の餌代だけでも大変だろうから」と家賃を値引きしてくれたりもしていた。入居者も「大家さんにご迷惑はかけられない」と、いろいろ工夫してくれている。























