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プレミアム会員限定知って得する建物の豆知識 360 バルコニー・ベランダ・テラス 混同しやすいので注意を

住宅新報 2023年6月27日 号 9面

連載: 知って得する建物の豆知識

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知って得する建物の豆知識 360 バルコニー・ベランダ・テラス 混同しやすいので注意を

 不動産販売の現場でバルコニー・ベランダ・テラスを混同しているセールスをよく見かけます。一般ユーザーも混同している方があり、話が噛み合わないケースも少なからず見受けられます。

 まず、バルコニー(Balcony)ですが、比較的小さな建物の外部に突き出たプラットフォーム状の屋外スペースを指します。建物の一部として作られ、2階以上にありますが、バルコニーは建物の外部に張り出しているため、通常は建物と同一の壁で囲まれています。

 ベランダ(Veranda)は建物外部に設けられた、比較的広い床面を持つ屋根付きのスペースで、通常バルコニーよりも広いスペースを持ち、椅子やテーブルを配置して、屋根が設けられます。インテリアとエクステリアの融合をを楽しむためのスペースとして利用されます。

 テラス(Terrace)は、建物の外部に広がる平らな屋外スペースですが、ベランダが地面から高い位置にあるのに対し、テラスは地面との連続性を持つ低い位置に床面を持ちます。テラスは庭やガレージなどの開放的なエリアに接続されており、仕上げ材についてもベランダが内部との連続性を考慮して木材などが用いられるのに対し、テラスは地面との親和性を持つタイルや石材、モルタルなどで仕上げられます。用途についてはベランダと同じく椅子やテーブルを配置して、エクステリアを楽しむスペースですが、よりエクステリア寄りのスペースといえ、屋外での食事や団欒の場、日光浴やバーベキューなどのアクティビティを楽しむために利用されます。

 いずれも、通常の居室とは異なり、エクステリアに関わるため、その安全性と耐久性については特段の留意が必要です。

 まず、バルコニーですが人やモノを支え、強風や地震、積雪などに耐えるためにはキャンチレバーのような片持ち方式ではなく、柱などがあると構造的には安心です。デザイン的な面からすると無柱がマストですが、規模によってはコストアップにつながります。

 テラスは地面と接しているので問題ありませんがバルコニーとベランダは雨仕舞い(防水処理)が難しい部位の一つです。特にキャンチレバーの場合は、風圧などによって反復応力を受けることや断熱処理が手薄なため冬季には凍結が発生する恐れもあり、入念なディーテール設計が必要です。

排水処理にも留意

 また、バルコニーやベランダは床面の排水処理も注意が必要です。排水口に落ち葉や汚泥、子供のオモチャが詰まることでオーバーフローが起き、室内への雨漏れを起こすことが少なくありません。これを防ぐため、床面をデッキ材で覆い排水口を隠す場合にはパネル状の点検口を設けておきます。

 床面の排水は最低でも「水勾配」(100分の1勾配)を確保しておく必要があります。最近は高分子系の防水材やコーキング材に頼って室内床とベランダやバルコニー床の段差を少なく切り詰める傾向がありますが、基本的には100ミリ程度の段差があると「健康的なディテール」が構成できます。

 バルコニーやベランダは窃盗犯などの侵入経路になることが多いので、外部の樹木や隣接家屋の関係を顧慮して大きさと位置を考える必要があります。

  (建築家・中村義平二)

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