東急不動産トップインタビュー(下) マンションで新販売手法 全社一つのチームに
住宅新報 2023年6月27日 号 4面

星野浩明・東急不動産社長
――注力する事業分野について。
「注力分野である広域渋谷圏では、建物の開発よりもカルチャーを拡大させる新しい空間を作っていくことで、より人が集まっていくエリアになっていく。更に、再生可能エネルギー事業をより一段伸ばしていく。我々はRE100に等しい状態になっているが、(再エネ電力を)非化石証書として(テナントなど)他社にも渡すことができる環境になった。これを続けていくことが社会課題の解決になっていく」
――分譲マンション事業は。
「土地の取得の段階から山手線の内側のエリアに絞りながら進めているので、商品企画としてはハイクラスなものにして、土地や工事費の上昇に対応している。都心部以外の首都圏や大阪圏では、駅周辺の再開発案件に積極的に取り組んでいる。マンションの新たな販売手法を実験中で、モデルルームをオープンしないで販売しているものもあるし、集約モデルルームについてトライしようと思っている。アクセンチュアと組んで完全なデジタルツインを構築し、雨の日や晴れた日などを(顧客に)体感してもらっている」
――海外事業の展望は。
「伸ばしていきたい事業分野の一つ。米国では主に取得した賃貸住宅をリノベーションして売却するビジネスを行っている。アジアでは、タイで物流施設、オフィス、ホテルを、インドネシアでは大規模開発を、インドにも投資をし始め、新築オフィスビルのプロジェクトへ出資している。アジア全体の成長に追い付けるように投資をしていく。アジアは日本より活気があり、生活水準も高くなっている。日本のディベロッパーのノウハウに期待する現地企業と提携をしながら、投資を広げていきたい。
米国はニューヨークでオフィスビルを手掛けているが、インフレがあり、人口が増えているので住宅事業を手掛けるのが確実ではないかと考えている」
――インバウンド対応は。
「超富裕層に対しては、ニセコの開発を進めており、ナンバーワン国際リゾートを目指している。倶知安町と提携して、インバウンドで町が困るのではなく、町が潤うという仕組みにどうすればできるのか、一緒に考えている。当社の所有施設だけなく町に恩恵をもたらす効果を考えながらインバウンド誘致をしていく。今年はゴンドラの掛け替えやホテルの建て替えに着手しており、投資が進んでいる」
――JR東日本との提携について。
「提携の中で一つは、再生可能エネルギーを一緒にやっていくということだ。JR東日本が所有する遊休地の活用を我々のノウハウで提案する。もう一つは、JR東日本の社宅は比較的都心部にあるため、それらについては我々が分譲住宅などに転換していく。都心の住宅価格が高くなっているので、これから若干郊外が注目されてくるのではないか」
――社長として社員に望むことは何か。
「4月に就任してあいさつしたのは、事業ユニットごとではなく、会社で一つのチームとしてやっていくことをお願いした。協力という点ではまだまだ弱いので、どのようなプロジェクトであっても、いろいろな知恵を一つにまとめてやっていくのが厳しい環境の中で、特徴を取り込んでいくことでアドバンテージが得られるのではないか」





















