エス・ビー・エス ビル省エネ化 「エコチューニング」普及へ 成果報酬型サービスで
住宅新報 2023年6月20日 号 7面

三輪直樹社長
オフィスビルの省エネ化に向けた新たな取り組みが始まっている。建物総合保守管理エス・ビー・エス(東京・新宿)社長の三輪直樹氏によると、既存の大型ビルの大半は設備機器の運用を改善することで大幅な省エネが可能になるという。というのも中央監視システムで多くの機器を制御する建物では、竣工当初の設定のまま管理を続け、建物の運用形態の変化に合わせた最適化がなされていないからだという。
そのため、「専門の技術者が第三者の目で建物の維持管理の状況を精査することで、現時点に合った最適の運用方法を見出せば大幅な省エネが実現できる」という。こうした省エネサービスについては環境省も注目し、「エコチューニング」という呼称(登録商標)で、14年度以降ビジネスモデルの確立を支援してきた。また、全国ビルメンテナンンス協会内にはエコチューニング推進センターも設立され、エコチューニング技術者の資格認定制度が運用されている。
しかし、建物オーナーからは「成果が出るかどうか分からないのに余計な費用は掛けたくない」といった冷めた反応が多い。また、管理会社からも第三者が入り込んできて、より効率的な運用方法(蒸気ボイラー圧力、熱源・空調システム、ポンプ圧力の調整、運転パラメーターの設定など)が見出された場合、これまでの自分たちの管理者責任が問われかねないといった不安からの抵抗があり、エコチューニングはあまり普及していないのが実態だ。
ただ、ここにきてエネルギーコストの高騰を受け、ビルオーナー側にも変化が見られ始めたことから、SBS社は「どの程度の成果が得られるか分からない」というビルオーナー側の懸念に対し、支払いを〝成果報酬型〟とする新たなサービスを展開し、普及に力を入れている。
これは延べ床面積1万m2以上、中央監視設備があり、設備員が常駐している建物を対象とし、算定期間は6カ月で光熱費削減額の50%を業務委託料として受領するというもの。三輪社長によると、おおむね従前比10%~15%の削減が実現され、1万m2程度のビルで年間6000万円から1億円程度の光熱費削減が可能という。
常駐の設備管理会社に関しては管理担当者の日々の活動もキーポイントとなるため、協力金を業務委託料から分配する。業務委託契約は2年間とし、契約を継続するかどうかは状況を見ながら協議する。また削減量が1%以内の場合、業務委託料は発生しない。三輪社長は「こうした初期投資を必要としない省エネサービスを提供していくことで、ビルオーナー、サービス提供会社、地球環境、三方よしのビジネスモデルを確立し、脱炭素社会に貢献していきたい」と意欲を見せている。























