紙上ブログ不動産屋の独り言705 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 家主が亡くなった古いアパート (下) カギを渡すとトラブルの予感
住宅新報 2023年5月30日 号 6面

やっぱり、そうなるのか、と落胆していたら、翌日、長女から電話があった。「兄から電話が行ったと思いますが、私から『この件では口を出さないで』と強く言っておきましたので心配しないでください」と言う。そうは言っても、兄が調べた金額のほうが高ければそっちに話が行ってしまうものだろう。その長女、母親から「いつもいろいろ面倒を見てくれている」と聞かされていたようで、「私は不義理をしたくない」と言う。自分たちでも調べたり問い合わせたりした結果と、私が業者に問い合わせて出てきた結論とほぼ同じで、「だったら坂口さんに」と、兄を除く姉妹で決めたようだ。
兄から電話
昨日の兄からの電話では「オタクで持ってる鍵を貸してもらえないか。どの部屋のでもいいから中を見ておきたいんだ」と言っていたが、リノベーションして再び賃貸で募集するのでなく、建売業者に売却しようというのに「部屋の中が見たい」という理由が分からない。「一部屋を除いてはゴミ屋敷状態です。お母様から『何もしなくていい』と言われていますので片付けもクリーニングもしていません。室内を見たら気分が悪くなると思いますから、お勧めしません。買い取り業者が全て承知して取り壊しの際にゴミも処分することになりますし、それは買い取り価格から引かれるでしょうけど、現状で売り渡したほうがいいと思いますね」と伝えて断った。もちろん遺族が「鍵を返して」と言ってきたなら返さなければならないが、この兄は別のことを考えているのが見え見え。うかつに鍵を渡したならトラブルが起きそう。























