紙上ブログ不動産屋の独り言703 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 立て替えた家賃と更新料 便宜を図ったつもりが
住宅新報 2023年5月16日 号 6面

生活保護の高齢婦人の入居者がいる。体力的に家賃を振り込みに行ったり当社に届けることが困難、ということで、毎月私が家賃を集金している。振り込んでくれるよう言えば、「私だってねえ、振り込みに行きたいよ。行きたいんだけど行けないんだからしょうがないじゃないの」と開き直る。挙句に、役所から出ているはずの更新料と更新に伴う保険の費用さえ払わない。それも、「私だってねえ、払いたいよ、払いたいんだけど」といういつもの理屈。そんなことをしているうちに入院してしまった。「入院しているから集金に来られてもいないから」と言うが、「申し訳ない」とは言わない。現在2カ月分の家賃を当社で立て替えている。
実は金持ち?
実は、その老婦人の友だちが当社のお客さんで、「あの人はおカネ、持ってるのよ。隠しているのは知っているわよ。この間も弟が『今はやりのシャツを買いたいから』とカネを無心してきて、現金10万円を送っているんだから」とのこと。だったら家賃も更新費用も払えるではないか。当社で立て替えて1年も経っている。去年の11月には「今年中に払う」と言っていたのに払われず、入院してしまったのだから、もしものことがあれば当社の立て替え分は返してもらい損なうだろう。
連帯保証人なく
その老婦人、入居する際の連帯保証人は数年前に亡くなっていて「代わりの連帯保証人を立てるのは困難」と言っていて、生活保護だから家賃の取りっぱぐれはないだろう、と、更新の際も最初の連帯保証人のままで契約している。今回、弟がいることは分かったが、生活保護を受けている姉にカネを無心するようでは、たとえ連帯保証人になってもらっても責任を取らせることは難しいだろう。私が気を使って便宜を図っているのに、向こうは勝手なことばかり言う。今度「役所から更新費用は出てないのかな。私が役所に文句を言ってやりますよ」と言おう。慌てて文句を言いつつ払うことだろう。本音では出ていってもらいたい。今度は私が「そりゃあねえ、私だってずっと入っていてもらいたいよ。入っていてもらいたいけど、こう立て替えが発生するんじゃしょうがないじゃないの?」と言ってやろう。(坂口有吉不動産・社長)























