フルリノベーション済みの高経年マンションの見学会に行ってきました。リノベーション費用は1200万円。6000万円以上で売り出す予定とのこと。前の持ち主が亡くなり、相続人から買い取った住戸のようです。安く買い取ったのだと思います。きちんと維持管理されている大型マンションで、他の住人もかなり見学にきていました。築47年の旧耐震マンションですが、この住戸が6000万円以上で売れるとしたら、耐震診断をしようというような話にはならないだろうな、と思いました。
60代のご夫婦の見学者が、防音装置付きの部屋のことを聞いていました。20年ほど前に購入した今のマンションは築45年。子供たちが独立して、前から好きだったピアノを本格的に始めたところ、ピアノの演奏時間は細則で決まっていて、その時間内なら演奏していいはずなのに、周りから苦情が来て困っているとの話でした。新しくリノべーションして入居した人が、ピアノ音がすることががまんできないというのです。それを聞いて、管理組合がピアノ演奏は防音室でやってもらおうと検討しているのです。そういえば最近、自宅でピアノを演奏する人が少なくなりました。ピアノ演奏は防音室でするという対応が進んでいるように思います。
新しく入居した人たちに嫌な思いをさせられたので引越したいのだけれど、今の新築マンションは狭いのに高額すぎるので、中古のマンションで防音室を造って、そこで思う存分ピアノを弾きたい…と言います。在宅勤務が進んで、自宅にも落ちついた環境を求めますから、昼間でもピアノの音が嫌だという話もあり得ることです。
ニーズは当然あれど複雑
しかし、見学会を開催している会社に、「ここは旧耐震ですよね、耐震性の確保についてはどうなっていますか」と聞いたところ、「そうです。特に考えてはいないようです」と明るく答えてきました。
時代の変化で、ピアノの音対応もしていかなければならない一方で、耐震性の確保については目をつぶる傾向がまだあるのです。確かに外観はきれいだし、専有部分は機能的・個性的に造られていて、新築マンションよりも広く、しかも安いとなったら、ニーズはあるよな…と、複雑な思いで見学会を後にしました。
(マンション総合コンサルティング代表取締役)
「廣田信子のブログ」発信























