六本木ヒルズ開業から20年 コンセプトは「文化都心」、六本木の変化を促進 「ヒルズ族」イメージ刷新も課題
住宅新報 2023年4月18日 号 6面
バブルに至る1980年代後半までに、東京都心部はオフィスが集積する一方、そこで働く人のほとんどは通勤に時間がかかる郊外に住むという構造が出来上がった。地価の高騰は、都心から人が居なくなる「ドーナツ化現象」や、無秩序に郊外に市街地が広がる「スプロール化現象」を生み出し、バブル崩壊後に経済的な豊かさが失われていく中で、その問題が顕在化していった。六本木ヒルズが計画され、竣工に至るまでの17年間は、この期間と重なる。
故・森稔社長は、六本木ヒルズの構想を練るために、海外の都市を巡った。世界経済のダイナミズムを生み出す都市で出会った企業や知識人について「彼らは実によく働くが、人生を楽しむことにも貪欲だった。豊かなプライベートタイムが斬新なアイディアや、思いがけないビジネスチャンスを生み出している。経済だけで文化がないような都市では、世界の人々を惹きつけることはできない」と著書で語っている。その理念は〝創出された場・時間で、交流や文化の機会をつくり、真の人間の豊かさを生み出す〟という「文化都心」のコンセプトに集約されている。
六本木ヒルズ開業後、年間来街者数は4000万人を維持している。オフィスは現在もほぼ満室、商業施設は22年12月に過去最高の売り上げを達成した。居住者数は港区麻布支所管内において、02年で4万1314人から23年には6万999人と約1.5倍に増加。これらについて、同社では六本木ヒルズの「文化・アート」の力が六本木の20年間の変化をもたらしたと評価する。






















