紙上ブログ不動産屋の独り言691 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 何を言っても同じ言葉を返す担当者 便利なシステムでも運用するのは〝人〟
住宅新報 2023年2月21日 号 6面

当社の顧客に大手学習塾の法人がある。その教室候補物件を探すのを依頼されていて、これは、と思う物件が出る度に「学習塾としての利用は可能でしょうか」と私が問い合わせている。居住用の物件であっても30件に1件くらいは塾として使用するのを認めてくれたり、事務所使用可とあっても「塾はダメ」と断られるケースもある。問い合わせをすると、「一応居住専用ですが、オーナーさんに確認してみます」と問い合わせてくれる業者もある。不特定多数が出入りしたり自転車が敷地いっぱいに置かれることを懸念されることもある。塾側としては「自転車で来ないよう」生徒を指導しているのだが、中には、「駐車場を1台分借りてもらって、そこに自転車を置いてくれるなら」との条件を出してくれる貸主もいる。
詳細相談したくて
そういう確認をしなければならないので、管理会社とは直接相談をしたいのだが、ある管理会社に電話したときのこと。私が「〇〇マンションはまだありますか。こちらは学習塾としての使用は可能でしょうか」と聞くと「ITANDI BB(イタンジビービー)でお願いします」との返事。「物件があるかないかだけでなく、細かなことも相談したいので」と言えば、「ITANDI BBでお願いします」と言い、「事務所使用可となっていますが塾でも大丈夫なのか伺いたいのです」と言えば、また「ITANDI BBでお願いします」としか言わない。「ITANDI BB」は、こちらの情報を登録することで物件の有無や現地対応のキーボックスの番号など名刺FAXなどせずに問い合わせが完了する便利なシステムではあるが、すべての情報や条件が確認できるわけではない。
「もういい」
何を聞こうとしても「ITANDI BBでお願いします」だから、「もういい」と電話を切った。「ITANDI BB」だけでなく、大手不動産会社が独自の物件問い合わせサイトを持っていたりして、電話すると自動音声で「次の中からご用件の番号を押してください」と案内されることもある。正直言って、気持ちがなえる。どんなに便利な先進の技術やシステムでも、運用するのは最後は人、ハートをなくして温かみが感じられない業者とは付き合えない。(坂口有吉不動産・社長)























