不動産流通推進センター講演会、4回目 コンプラ、組織レベルへ 行動指針と自主規制に焦点
住宅新報 2023年1月24日 号 7面

パネルディスカッションでは、業界におけるコンプライアンスの浸透状況や方策について意見が交わされた
不動産流通推進センターは1月18日、「不動産業におけるコンプライアンス(職業倫理)確立に関する講演会」を開いた。冒頭、ビデオであいさつした坂本久理事長は、「不動産業が信頼される産業として更に発展するためには、単なる法令順守にとどまらない高い倫理性と顧客本位の姿勢を備えたコンプライアンスの徹底が必要不可欠」と指摘した。その上で「今年はこれまでのコンプライアンス推進活動から一歩踏み込み、組織レベルへの浸透を推進していきたい」と抱負を語った。
同センターは20年に「公認不動産コンサルティングマスター」と「宅建マイスター」の両資格者に対し、「倫理規程」と「誓約書」を整備、「倫理審査会」も設置してコンプライアンス体制を強化した。以来、両資格者と不動産業従事者全体に向けたコンプライアンスに関するイベントを毎年実施し今回が4回目。
第1部ではまず、郷原信郎弁護士による基調講演が行われた。郷原氏は「コンプライアンスは組織が社会の要請に応えることだが、組織は多くの人で構成されていること、また近年は社会自体が変化しているため、その要請を把握することが極めて難しくなってきている」と指摘。その上で吉野家、エネオス、スノーピーク3社の経営者個人の不祥事問題を挙げ、それに対する社会の受け止め方が不祥事の内容やそれに対する企業側の対応いかんで大きく変化した状況を紹介。そのため企業としては世の中がどう反応し、どういう事態に発展するかを慎重に予測しなければ企業に深刻なダメージを与えかねない時代になったと警告した。
続いて、漫画『正直不動産』の原案者である夏原武氏と消費者機構日本会長の中山弘子氏に対するインタビュー動画が上映された。
第2部では同推進センター教育事業部長の真鍋茂彦氏がコンプライアンスに関するこれまでの取り組みについて報告した。その中で真鍋氏は「この数年のイベントで、コンプライアンスの浸透は営業担当個人の姿勢だけでは十分ではなく、業界全体での取り組みがなければ達成できないということが浮き彫りになってきた」と語り、今回の講演会の意義を強調した。
続いて行われたパネルディスカッションでは、三井不動産販売(現三井不動産リアルティ)の社長・会長などを歴任し、現在はアトリウム代表取締役会長の竹井英久氏、東急リバブル常勤監査役の橋本明浩氏、行政書士の石井くるみ氏、K―コンサルティング社長の大澤健司氏、リジュネビルド社長の妹尾和江氏の5人が登壇。個々の不動産会社がグレーゾーンを含め社員の行動指針をどう定めていくか、また業界団体としての自主規制のあり方など多方面にわたる議論を展開した。コーディネーターは住宅評論家で住宅新報顧問の本多信博氏が務めた。
なお、今回の講演会の模様は後日YouTubeで配信される(https://www.retpc.jp/koshu/compliance2201/)。配信期間は1月27日~2月28日。























