紙上ブログ不動産屋の独り言685 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 借地上の建て替え相談 こんな家主さんばかりなら嬉しいが
住宅新報 2023年1月10日 号 6面

今、ある借地の上に立つ母屋と店舗の建て替えの相談に乗っている。その家主との付き合いはもう25年以上にもなる。いろんな住宅メーカーと取引があるが、その中でも最も信頼できて面倒見のよい住宅メーカーの営業マンを紹介することにした。家主は特に「どの住宅メーカーで建てたい」との希望はない。地主が偏屈なので話が途中で頓挫しているが、営業マンは根気よく誠実に対応してくれていて、家主と当社の信頼に応えてくれている。それがためか、家主が当社を訪れて封筒を差し出す。「営業の方の苦労をこれでねぎらってあげてください。坂口さんも一緒に食事してもらっていいのよ」とのことで、封筒の中身は5万円。驚いて、「私も適当に食事をおごったり、お子さんに、とお菓子を持たせたりしていますから大丈夫です、どうぞお気遣いなく」と辞退したのだが置いていく。
再び封筒を それだけではない。半年ほどして家主が再び当社を訪れ、「この間お渡しした分はもうなくなっているでしょう。なくなってたら遠慮なく言ってね」と言う。「いえいえ、まだ半分以上残っていますから大丈夫です。大切に使わせてもらっていますから、ここから先はご心配なく」と伝えたのだが、1カ月ほどしてまた封筒を持ってきた。まだ半分近く残っているのに、である。もちろん、家主のご厚意は営業マンにしっかり伝えていて、営業マンも感激していた。まさか現金のまま渡す、ということもできないので、折を見て少しずつ使っている。そういうのは本人に現金で渡すより「お子さんに」とお菓子を渡すほうが効果的というもの。中にはそうでない人もいるだろうけど。
遅々として進まない























