明海大学不動産学部 不動産の不思議 学生たちの視点と発見 第462回 第一種低層住居専用地域の資材置き場 土地利用の改善が必要に
住宅新報 2022年12月6日 号 4面
【学生の目】
新浦安駅から徒歩圏の第一種低層住居専用地域の住宅街に壁や屋根はないが存在感がある、不思議な資材置き場があった(写真)。まず、住宅街に資材置き場があると違和感がある。次に、低層住宅の環境を保護する低層住専地域の趣旨とは正反対の土地利用である。
土地に定着する工作物のうち屋根と柱、壁があるものが建築物(建築基準法2条)で、資材置き場は該当しない。建築物以外の工作物といえそうだが、置いただけで「定着」しない「設置物」かもしれない。
資材置き場は平面的なものから立体化したように見える。足場用資材を効率的に置くために足場用資材を使って立体化する作業は簡単で〝大したことはない〟かもしれない。しかし、存在感は工作物に匹敵する。工作物の設置や保存の瑕疵で他人に損害を与えると、占有者に損害賠償責任がある(民法717条)。
計画的な土地利用を図る都市計画法や建築物の安全を図る建築基準法の問題はないのか。都市計画法29条は、第一種、第二種特定工作物を定めて開発許可の対象とする。しかし、小規模開発は対象外で、土地区画形質を変更しなければ開発行為に該当しない。建築基準法48条は、建築物の用途を制限する。用途規制が適用される工作物もあり、製造・貯蔵・遊戯施設、車庫、汚物処理場等が該当する(施行令138条)が、写真の資材置き場は該当しそうにない。以上より法的問題はなく、法の網にかからない資材置き場といえる。
それにしても、周りの住人は不安を感じるのではないか。資材置き場が崩れる可能性も否定できない。専門家が造ったから丈夫だとしても圧迫感はあるだろう。また、資材の移動時に金属性の騒音がする。頻度にもよるが、日常的に移動するなら作業場とも言える。
外側に防音シートをかけるなど、不安や景観を緩和する対策はありそうだが、シートが風圧を受け、被害が拡大する危険性もある。倒壊防止のために土地に緊結すれば紛れもなく工作物で、貯蔵施設に近づく。
資材置き場が目的で土地を入手したのではなく、遊休土地を資材置き場に使っていると思われるが、社会的にはここに資材置き場がある必然性は高くない。ふさわしい場所に移転する一方、この土地は駅近の低層住専地域に住みたい人に譲ることが合理的と思える。土地利用制限と不動産流通の両面で改善が求められる。
【教員のコメント】
都市計画法や建築基準法は技術基準で規律を運用する。許可や確認の取得から不確実性を排除する狙いだが、基準に合致すれば必ず取得でき、ごみや空き家の放置など対象外は野放しで外部不経済を生む。成熟社会にふさわしい仕組みが求められる。
























