廣田信子の紙上ブログ No.343 マンション管理応援歌 築47年、長寿命化を目指すマンションは違う
住宅新報 2022年11月29日 号 5面

廣田信子氏
築47年で、全101戸のマンション。耐震改修工事は実施済みで、大規模修繕工事も3回実施。エレベータ―の制御盤更新、給排水管の更新も完了。一括受電を実施していて、共用部分のLED化、玄関ドアやサッシの交換工事も終わっています。
エントランスも改修し、オートロック化して宅配ボックスも設置済みです。そして親睦行事も盛んで、毎年安心登録カードを更新して、サポートが必要な高齢者等を把握して備えています。そして、最近は専有部分を新築同然にリノべーションした住戸に、新規で入居する人もいます。
私は、このマンションはいいな…といつも思います。補助金を活用して耐震改修工事を済ませ、省エネ対策も図っています。やるべき工事は実施し、高齢者の支援も考え、若い人たちにも「このマンションは今後50年は大丈夫だ」と思わせる実績があります。マンション管理業協会主催の「マンションバリューアップアワード2019」で高齢者対応部門の部門賞を受賞したマンションです。
今回のマンションコミュニティ研究会のフォーラムでは、「マンションで長寿命化が当たり前になるには」をテーマにします。このマンションも、自分たちの管理組合運営の情報をすべて公開してくれています。学ぶことが多いと思います。
選ぶ道筋で手法は変わる
先日、50年の築年数で、建替えが決まったマンションの住人とお話しする機会がありました。10年以上前から建替えの話があり、合意形成がなかなかできすに苦労していました。建替えの話が出る前には大規模修修繕工事等もしてきたマンションでしたが、建替えの話が出てから、大規模修繕工事も給排水管の更新もしないので、漏水がひどくて、それをだましだまし使ってきたといいます。壊すことが前提のマンションで暮らす高齢者は、大変な思いをしたことと思います。それはそれで、建替えという結果を得たことは、今後、長い目で見ればプラスだったかもしれません。
同じマンションでも、長寿命化を目指してしっかり対応してきたマンションと、建替えを前提に修繕をしない方針でやってきたマンションとでは、この10年、住み心地が違ったことと思います。フォーラムでは、長寿命化を目指すとしたら何が大切かを考えたいと思います。
(マンション総合コンサルティング代表取締役)
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