紙上ブログ不動産屋の独り言675 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 これじゃ広告料など頂けない 2カ月間だけ借りたいと
住宅新報 2022年10月25日 号 6面

多摩郊外の小さな貸家の管理をさせていただいている。2Kで家賃は5万5000円。礼金0、敷金0で、いわゆるゼロゼロ物件である。それだけでなく、退去時のハウスクリーニング費用は家主持ち、まさに至れり尽くせりの物件である。その物件の入居者募集をしていたら、同業者から「持ち家のリフォームをする間の短期ではダメでしょうか?」との問い合わせが入った。短期でもいい、とは聞いているが、期間は2カ月とのこと。それだと家主はつらいことだろう。仲介料は客付け業者が受け取るので、当社は契約金の中から広告代の名目で1カ月分を戻していただいている。家主が契約時に受け取るカネはなく、2カ月分の家賃から1カ月分を当社に支払い、残りの1カ月分はハウスクリーニングに回るとしたら、利益はない。更に次の入居者が決まるまで、また何カ月か空いてしまうことになる。割に合わない話だ。
家主は承諾
家主にそう伝えて「今回はお断りしましょうか?」と聞くと、「あら、構わないわよ。そのご家族も困っているでしょうから」と笑う。そんな家主、他にはいない。ヘタしたら赤字になるかもしれないし。それではボランティアである。家主がそこまで言うのなら、私は広告代を辞退しようかな、と思っていたら、客のほうから断りが入った。その貸家は表通りからの旗竿地で敷地延長になっていて、入り口の両サイドの家は角切りをしていない。6棟の貸家の借主のうち高級車クラウンに乗っている人もいて問題なく出入りしているが、その客の車は軽自動車。なのに、だいたい運転している奥様が「入れない、入れない」と騒いだ末に断りが。























