紙上ブログ不動産屋の独り言666 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 元アイドルの更新契約 減額した家賃を戻したいが
住宅新報 2022年8月23日 号 6面
ある家主から難しい相談を受けた。「隣にある貸家の入居者の更新期限が近づいているのですが、事情があって家賃を相当に下げていて、それを通常の家賃に戻してもらいたいのです。そういう交渉をお願いできませんか」とのこと。今までは大手業者が管理を任されていたようだが、忘れられてしまったのか更新についての連絡もくれないようで、今回から当社が任されることになった。他にも何軒も貸家を持っていて、その貸家以外は当社で管理させていただいている。もちろん喜んで引き受けさせてもらった。
30万を12万に
入居者の奥様は元アイドルでCDなんかも出している。その「家賃を下げている事情」というのが、数年前入居者のご主人が急逝したことで「家賃の支払いが大変だろうから」と、30万円の家賃を12万円まで下げてあげて、現在もそのままになっていた。だが、通販事業も手掛けていて、生活は苦しくなさそう。と言っても入居者のほうから「もう戻してもらっていいですよ」とは言わないもの。「生活が落ち着いているなら本来の家賃に近づけていただきたい」というのが家主の考え。ただし、それを家主が直接言ったならトラブルに発展するだろうから、不動産屋から伝えたほうがよい。家主も「元の30万円の家賃まで一気に戻したい」とは思っておらず、最終的に20万円に、と思っているようだ。で、私は本人と会って「段階的に家賃を上げさせていただきたい」と伝えた。「今回の更新で4万円上げ、次回の更新で再び4万円上げて20万円にさせていただきたいのですが。それ以上の値上げはしません」と伝えると、意外にもアッサリと承諾した。そりゃあそうだろう、20万円でも破格の安さなんだから。























