高経年マンションの長寿命化に欠かせないのが長期修繕計画です。しかし25年以上の長期修繕計画に基づいて修繕積立金を決めているマンションは全体では53.6%ですが、高経年マンションでは3割程度となっています。更に、昨年、長期修繕計画の作成ガイドライン等が見直され、築30年以上の計画期間で、大規模修繕工事を2回含むことが必要になり、よりハードルが高くなりました。
これまで長寿命化を目指すマンションでは、必要な大規模工事は補助金を活用し、安い金利で借り入れして、実施の合意形成を図ったのです。そして今後のことを考え、一定の修繕積立金の値上げを図るということがよく行われました。
高経年のマンションの長寿命化を図る長期修繕計画には、旧耐震のマンションでは、耐震診断が欠かせません。築40年を超えたマンションでは、給排水管の全面改修、サッシ・ドアの交換等環境問題への対応などを考える必要があります。したがって、これまでのような長期修繕計画というわけにはいきません。
しかし、長寿命化へ向けて必要な工事を入れていこうと思うと、修繕積立金が高すぎるという批判が出るので提案が難しいという管理会社もあります。
他方、しっかり管理してきたマンションで、設計コンサルタントに長寿命化を考えた30年の長期修繕計画の作成を依頼したところ、「今の修繕積立金を各戸2万円ずつは上げないと間に合わない」という結果が出たといいます。これには驚いて、自ら長期修繕計画の見直しを再検討。そこまでの値上げはできないため、その後、給排水管の更新工事、サッシの交換等、「どこまで管理組合が実施するか」「各戸ができるようにして各戸負担にするか」を合理的に考えて明確化したといいます。こういうことを考えるきっかけになるのが、長期修繕計画作成の意義ではないでしょうか。
思いのある計画を誇りに
耐震改修工事を成し遂げたマンション、外断熱改修を含む断熱性の向上を実施したマンション等は、自分たちがやり遂げたことに誇りを持っています。いざというときにそれを乗り切る合意形成力がついています。長寿命化を目指す長期修繕計画は、そういう自分たちの思いがこもったものであってほしいと思います。
(マンション総合コンサルティング代表取締役)
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