竹井英久の 思案あれこれ (9) 日本的エージェント制
住宅新報 2022年5月3日 号 7面

利益相反回避の切り札的にエージェント制がもてはやされるが、単に両手回避のために会社単位で売り買いを分けるべきだとの理念先行で、どんな制度にすれば何が解決されるのか、懸念事項はないのか、総合的に議論・整理すべきではないか。
個人事業主営業マンで成り立つ米国では、事業主たる営業マンとエージェント契約する。両手は顧客の同意がなければ禁止だが、隣に座る営業マンと取引するのは禁止されていない。地域占有率が高く営業マンの多い仲介会社では当然社内の両手比率は高くなっている。売り手と買い手で別のエージェントを立て、顧客に対する立ち位置・役割を明確化し、それぞれの顧客利益のために働いたかを問われるシステムで、訴訟社会の米国で十分機能している。日本において導入するなら、売り手と買い手で担当する宅建士を分け、それぞれのニーズに合った業務執行体制と職業倫理の遵守を強化する手法が、業法・商習慣や労務事情からみて現実的だろう。























