竹井英久の 思案あれこれ (6) 業者買取と説明責任
住宅新報 2022年3月1日 号 7面

都市部の戸建て・土地・築古マンションは、個人売主・不動産業者買主の割合が高い。宅地分割・建売住宅やリノベ再販マンションとなり、新しい住宅として消費者に提供されるためだ。
この個人売主・不動産業者買主は、個人売主には買主が営利目的の業者だということで価格等の疑念が生じやすいものだ。多くの仲介業者は私的な簡易的入札を行ったり、業者でない買主探索努力を売主に説明しているはずだが、データに基づく説明は不足しており、改善の余地がありそうだ。
昨秋に大手不動産流通会社が、売主の信頼感向上施策として、業者買い取りのための入札プラットフォームを立ち上げてこの問題に対処したのは画期的である。会社経営的にも、短時間・低コストで買主を探索できる上、両手にもなるし、営業マンの癒着業者との不適切な取引の防止ができるなどの副次的効果も大きいようだ。
私的入札システム標準に
レインズは情報が雑多でプッシュでの情報提供を意識してないので、多くの業者を対象とした私的入札システムを標準プロセスとして業界で推奨し、買取業者市場を整備して、入札結果を売主に公開すべきだろう。入札以外の手法であってもいいが、どれだけの業者に情報提供して結果がどうであったかを書面で交付して信頼の醸成に努めるべきだ。専任返しがなくなるなど営業マンの抵抗はあるかもしれないが「うまくやろう」は消費者利益に反すると銘記すべきである。
なお、受託物件を仲介業者自ら買い取ることは利益相反の観点で絶対に回避すべきであろう。
李下に冠は正さず、本来仲介業者と買取業者は違う免許で独立した形態が望ましいが、当面は個人売主が業者買主と安心して取引できるような市場整備施策を業界として取り組むことが肝要である。























