紙上ブログ不動産屋の独り言640 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 珍しい国からのお客さん 店舗探しに夫婦で来店
住宅新報 2022年2月15日 号 6面
店番をしていたら、珍しく飛び込みのお客様が来た。最近は部屋探しはネットでする人が大半で、不動産会社の店舗に飛び込んで「今度結婚するので、この辺りで2DKで7万円くらいまでで、いい部屋ありませんか?」などと依頼する、なんてケースはほとんどない。商店街の外れのほうで店を開いている当社なんかは半年に1人か2人、飛び込みのお客様が来るくらい。それでどうして経営が成り立つのかといえば、ありがたいことに紹介やリピーターのお客様の売り上げが半分以上で、当社の入居者募集物件に同業者が客付けしてくれることでどうにかつぶれずに済んでいる。
レバノンから
その飛び込みのお客様、見ると、マスクをしていても日本人でないのが分かる。一緒に来店した奥様は日本人だったが、「どちらのお国ですか?」と聞くと、「レバノンです」と言う。更に、「カルロス・ゴーンで日本からの信用がなくなっていますが」と笑う。そういうお客様は大好きである。
人柄もよく、日本語も流暢で、特に問題はなさそうだったが、住まい探しでなく飲食店のための店舗探し。当社に希望条件にかなう店舗はないので、こう話した。「○○駅の周辺で店舗を探すとしたら、持っていそうな不動産会社は、北口ならA社とB社とC社、南口ならD社です。外国籍のお客様だと当社を経由して問い合わせたなら、その時点で断られてしまうかもしれません。仲介業者を通さずに行けば、直接会っているのですから信用してもらえるでしょうし、先方も直接のお客様であれば何かと交渉に応じてもらえます。どの会社でも『坂口から聞いて来ました』と言って大丈夫ですよ」と。
開店を楽しみに
うちは手数料にならなくても構わない。お客様が困ったり苦しんだりすることなくスムーズに物件探しができたほうがうれしい。この件で利益にならなくても、お客様が喜んでくれさえすれば利益は後から付いてくるもの。条件は厳しいし、○○駅から徒歩圏だと賃料も高くなるけど、よい店舗が見つかってレストランがオープンしたら、妻を連れて行ってみたい。レバノン料理はなじみがないけど、聞いているメニューの内容が好みに合っていそうだから。きっと笑顔で迎えてくれることだろう。(坂口有吉不動産・社長)























