2021 宅地建物取引士受験セミナー (36)
住宅新報 2021年9月28日 号 9面
2021宅地建物取引士受験セミナーは今回が最終回です。来週号からは、「重要数字」などまとめを掲載します。
【問題4-26】
宅地建物取引業者Aが自ら売主として、宅地建物取引業者でない買主Bとの間で締結した宅地の売買契約について、宅地建物取引業法第37条の2の規定に基づく申込みの撤回又は契約の解除(以下、「申込みの撤回等」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。
アAがクーリング・オフの告知に際し、Bに交付する書面には、告知日から起算して8日を経過するまでは、物件の引渡しを受け、かつ、代金全額を支払った場合を除き、書面により申込みの撤回等ができる旨が記載されていなければならない。
イAがクーリング・オフの告知に際し、Bに交付すべき書面に、「申込みの撤回等は、申込みの撤回等を行う旨を記載した書面をBが発した時に、その効力を生ずる」旨が記載されていなかった場合、権利行使期間(8日)の起算が開始されない。
ウAの書面による告知日から8日を経過するとクーリング・オフ制度の適用はなくなり、それに伴い、民法の規定に基づく申込みの撤回等も認められなくなる。
(1)一つ (2)二つ (3)三つ (4)なし
【問題4-27】
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者でないBと間で締結した甲建物の売買契約(代金3000万円)に関する手付金等の保全措置に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはいくつあるか。
ア甲建物が工事完了前か完了後かの判断は、売買契約時において判断すべきものであり、また、工事の完了とは、外観上の工事のみならず内装等の工事も完了していることをいうが、居住が可能な状態であることは問題にしない。
イ甲建物に関する手付金等の保全措置のうち、銀行等による保証は、宅地建物取引業者と銀行等の金融機関等の間で保証委託契約を締結し、銀行が保証書を買主に交付して行うが、買主の承諾を得て、この書面に代えて、磁気ディスクを交付してもよい。
ウ甲建物が工事完了前で、Aが保全措置を講じることなく手付金200万円を受領したとき、Aが監督処分を受けるほか、Aにその旨を告げなかったAの代理業者Cも、重要な事実の不告知により監督処分を受けることがある。
エ甲建物が工事完了後で、Aが契約締結日前に申込証拠金50万円(契約締結後、代金に充当)を受領していた場合、契約日に手付金300万円を受領するときは、350万円について保全措置を講じた後でなければ、当該300万円を受領できない。
(1)一つ (2)二つ (3)三つ (4)四つ
【問題4-28】
宅地建物取引業者A(消費税課税業者)が受け取ることのできる報酬の上限に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。
アAが買主Bから中古住宅(代金300万円、消費税額含まず)の売買の媒介を依頼され、現地調査費用が通常の媒介に比べ3万円(消費税含まず)多く要する場合、Aは、Bと合意した上で受領できる報酬の限度額は18万7000円である。
イAが売主Cから宅地(代金400万円、消費税額含まず)の売買の媒介を依頼され、現地調査費用が通常の媒介に比べ5万円(消費税含まず)多く要する場合、Aは、Bと合意した上で受領できる報酬の限度額は25万3000円である。
ウAが貸主Dから住宅(家賃10万円、消費税額含まず)の貸借の代理を依頼され、現地調査費用が通常の貸借の代理に比べ5万円多く要する場合、Aは、Dと合意した上で受領できる報酬の限度額は16万5000円である。
(1)一つ (2)二つ (3)三つ (4)なし
【問題4-29】
宅地建物取引業者Aに関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはいくつあるか。
アAは、従業者名簿(パソコンに備えられたファイル又は磁気ディスクを含む。)を、最終の記載をした日から5年間保存しなければならない。
イAは、業務に関する帳簿(パソコンに備えられたファイルまたは磁気ディスクを含む。)を各事業年度の末日に閉鎖し、5年間又は10年間保存し、取引の関係者の請求があれば閲覧に供さなければならない。
ウAは、継続的に業務を行うことができる施設を有する場所で、事務所以外の場所については、専任の宅地建物取引士の設置義務の有無を問わず標識を掲示しなければならない。
エAは、専任の宅地建物取引士を1人以上設置すべき場所について、一定の事項を一定の期間内に免許権者等に届け出る必要があるが、この届出場所で業務を行う期間は、原則最長2年とし、延長の届出も認められる。
(1)一つ (2)二つ (3)三つ (4)四つ
【問題4-30】
宅地建物取引業者Aが自ら売主として、買主Bに新築住宅を販売する場合における次の記述のうち、特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律に関する法律によれば、正しいものはどれか。
(1)Aが、住宅販売保証金を供託する場合、当該住宅の床面積が60m2以下であるときは、新築住宅の合計数の算定にあたって、2戸をもって1戸と数える。
(2)Aは、Bに新築住宅を引き渡した場合、その日から3週間以内に住宅販売瑕疵担保保証金等の状況について、その免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。
(3)Aは、買主からの還付請求により、住宅販売瑕疵担保保証金の額が基準額に不足することとなったときは、国土交通大臣から通知書を受けた日から3週間以内に、その不足額を供託しなければならない。
(4)Aが住宅販売瑕疵担保責任保険契約を締結している場合で、Aが倒産等の理由で瑕疵担保責任を履行できないときは、Bは、保険契約により、保険法人により直接担保される。
【問題4-26】 正 解 (1)
アは正しい。
その他、買主に交付すべき告知書面には、売主業者の商号又は名称及び住所並びに免許証番号、買主の氏名(法人にあっては、その商号又は名称)及び住所等が記載されていなければならない。宅地建物取引業法37条の2第1項、同法施行規則16条の6。
イは正しい。
宅建業者が交付する告知書面には、施行規則16条の6所定の事項が記載されていなければならない。これが欠落した書面を交付した場合は、権利行使期間の起算が開始されない。本肢の文言は記載事項である。
ウは誤り。
8日を経過するとクーリング・オフ制度の適用はないが、これはもはや申込みの撤回等ができなくなるという意味ではなく、その場合には、申込みの撤回や契約の解除は民法によるという意味である。宅建業法の解釈・運用の考え方。
誤っているものはウのみであり、正解は(1)である。
【問題4-27】 正 解 (1)
アは誤り。
工事が完了しているか否かは、売買契約時において判断すべきである。また、工事の完了は、外観・内装工事が完了し、居住が可能である状態をさす(宅建業法の解釈・運用の考え方)。
イは正しい。
なお、保証委託契約は、保証債務が、少なくとも宅建業者が受領した手付金等の返還債務の全部を保証するものであること等を内容とするものでなければならない。宅地建物取引業法41条2項、41条の2第1項。
ウは正しい。
手付金が売買代金の5%(150万円)を超えており、事前に保全措置を講じなければならない(宅地建物取引業法41条1項)。本肢では、Aが監督処分を受けるほか、Aにその旨を告げなかったCも、重要な事実の不告知により監督処分を受けることがある。同法47条1号、65条2項、66条1項。
エは正しい。
「契約締結後、代金に充当される申込証拠金」は、保全措置の対象である。手付金との合算額は350万円となり、手付金等の額が「10%又は1000万円」を超えているので、全額(350万円)について保全措置をとらなければならない。同法41条の2。
誤っているものはアのみであり、正解は(1)である。
【問題4-28】 正 解 (4)
アは誤り。
低廉な空家等の売買・交換における報酬計算の特例(以下、特例という)は、売主(交換者)から依頼を受ける場合に適用がある(告示7)。本肢は買主からの依頼であり、適用できない。300万円×4%+2万円=14万円。14万円×1.1=15万4000円がBに請求できる報酬の限度額となる。宅地建物取引業法46条、報酬告示2.7。
イは誤り。
特例により、宅建業者は、通常の売買に比べ多く要する現地調査費等を、売主と合意した上で、報酬に上乗せ請求できる。ただし、当該依頼者から受ける報酬の限度額は19万8000円(18万円×1.1倍)以内でなければならない。報酬告示2.7。
ウは誤り。
特例は、売買・交換の媒介・代理の場合に適用され、貸借には適用がない。したがって、Aは、Dから代理報酬として、11万円(借賃の1.1倍)を限度に受領できる。報酬告示5。
すべて誤りであり、正解は(4)である。
【問題4-29】 正 解 (3)
アは誤り。
宅建業者は、従業者名簿(パソコンに備えられたファイル又は磁気ディスクを含む)を、最終の記載をした日から「10年間」保存しなければならない。宅地建物取引業法施行規則17条の2第4項。
イは誤り。
業務に関する帳簿は各事業年度の末日に閉鎖し、その後5年間(宅地建物取引業者自ら売主となる新築住宅に係るものは10年間)保存しなければならない(同法施行規則18条3項)。ただし、閲覧に供する義務はない。
ウは正しい。
同法50条1項、同法施行規則19条。「専任の宅地建物取引士の設置義務の有無を問わず」とは、宅建業に係る契約の申込みを受けるか又は契約の締結をするかを問わない」という意味である。
エは誤り。
法50条2項の案内所等業務開始の届出に関して、この届出場所で業務を行う期間は、最長「1」年であり、引き続き業務を行う場合は改めて届出を行う必要がある。宅建業法の解釈・運用の考え方。
誤っているものはア・イ・エであり、正解は(3)である。
【問題4-30】 正 解 (4)
(1)は誤り。
Aが、住宅販売保証金を供託する場合、当該住宅の床面積が「55」m2以下であるときは、新築住宅の合計数の算定にあたって、2戸をもって1戸と数える。住宅瑕疵担保履行法11条3項、同法施行令5条。
(2)は誤り。
自ら売主として新築住宅を宅建業者ではない買主に引き渡した宅建業者は、基準日ごとに、当該基準日に係る資力確保措置の状況について、「基準日」から3週間以内にその免許権者に届け出なければならない。同法12条1項、同法施行規則16条。
(3)は誤り。
国土交通大臣から通知書を受けた日から2週間以内に、その不足額を供託しなければならない。同法16条、7条。
(4)は正しく、正解。
宅建業者が倒産、廃業により相当の期間を経過しても保険対象部分の修補または修補にかわる損害賠償金の支払いができない場合は、住宅取得者から住宅瑕疵担保責任保険法人へ直接保険金を請求することができる。
























