ADRの現場から 不動産会社が知っておくべきトラブル解決ノウハウ 183 空き家に関する相談事例 日本不動産仲裁機構
住宅新報 2021年9月21日 号 16面
連載: ADRの現場から
空き家の増加を抑制することを目的に、2014年に「空家等対策の推進に関する特別措置法」が制定されました。そして、この法律において措置対象となっている「特定空き家」とは、(1)倒壊もしくは保安上危険となる恐れがある状態、(2)著しく衛生上有害となる恐れのある状態、(3)適切な管理が行われないことにより著しく景観を残っている状態、(4)その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態――にある空き家を指します。なお、特定空き家は、(1)犯罪問題、(2)災害問題、(3)衛生問題、(4)風景・景観問題――などを発生させるケースが多く、これらの問題は当然、近隣住民とのトラブルとなってしまいます。今回は、空き家に関するトラブル相談事例を紹介します。
A氏の隣には空き家があり、そこにはゴミが大量に不法投棄されていました。ゴミは空き缶や古雑誌をはじめとした生活ゴミだけではなく、家電製品や家具、自転車、布団などを投げ捨てていくといったような悪質なものもありました。A氏は、このゴミ屋敷となった空き家が、今後不審者のたまり場となったり、放火の対象となるのではないかと危惧しており、なんとか解決したいと考えていました。
次は、災害からの二次被害を心配していたB氏です。B氏の近隣の空き家は、適切な管理がなされないため、一般の住宅よりも早く老朽化が進んでしまい、突風により、外壁の一部が剥がれてしまったり、アンテナ類が倒れて落下することもありました。小学生になる娘は、この空き家の近くを登下校の際に通るため、B氏はいざ大地震があった際は空き家そのものが倒壊をしてしまい、娘が下敷きになってしまうのではないかと非常に心配をしていました。B氏は、まず空き家の所有者を調べて話し合いの場を持ち、自分の不安な気持ちを知ってもらいたいと考えていました。
























