屋根材には瓦などの粘土系、セメント系、セメントに繊維質を混入して薄く仕上げたスレート系、金属系があります。粘土系は他の材料に比べ重量があるので遮音性や断熱性に優れていますが、建物がトップヘビーになるため、耐震性への配慮が必要です。セメント系は粘土系に比べコスト面が有利なことと、破損した場合、一枚単位で交換出来るなどの優位性があります。スレート系はコロニアルやカラーベストと呼ばれ、価格も安価で軽量、色が豊富であるため一時大流行した素材です。市場の出荷ベースを見ても、金属屋根以外の素材は年度毎に右肩下がりですが、その低下分を吸収する形で、金属屋根だけが右肩上がりになっています。
金属屋根は軽量、強度が高い、素材が豊富、一気に葺ける長尺工法、薄板加工による曲線や円形への対応などデザインが豊富といった特徴があります。現在人気のある金属素材はカラー鋼板、メッキ鋼板などサビに強い素材が主流です。付加機能としては低汚染性、抗菌防カビ性、遮熱機能などがあります。
遮熱性については、太陽光の熱エネルギーである近赤外線を反射する塗料によって温度上昇を防いでいます。耐熱性はシリコン塗装などにより300℃で500時間露出しても塗膜が変化しない性能を、耐熱シリコンを塗布して達成しています。銀系無機抗菌剤を塗膜に配合して抗菌や防カビ効果を持たせてもいます。低汚染性は親水性塗膜を形成させ、表面に付着した汚染物質を雨水で洗い流せます。めっき鋼板は高耐食性樹脂で被覆することでも耐久性を上げています。
また、金属屋根は太陽光発電への対応性の高さも挙げられます。太陽光発電機そのものの重量はおよそ12~16キログラム/m2あり、約4キロワットの発電量を出力するパネルの総重量は240~450キログラムとなり、もともとがトップヘビーな瓦屋根に載せると、大きな負担になる可能性があります。ちなみに、素材重量は瓦屋根の65キログラム/m2に対して金属屋根は3.5キログラム/m2です。
さらに、金属屋根は屋上緑化にも適しています。都市部のヒートアイランド化を減少させる有効な手段の一つとして屋上緑化を導入するデザインが増えていますが、植栽や軽量な人工土壌は断熱性にも優れ、冷暖房負荷の低減にも貢献します。盛夏における関東地方の例では、緑化なしの場合の屋根裏面は75℃にも達しますが、緑化を施した場合39℃まで低下します。
また、大型商業施設や工場などの屋上を緑化した場合は工場立地法で「緑地」に算入出来るため、土地の有効利用が可能になります。こうした商業施設の多くは凸凹の折版鋼板が使われていますが、凸凹にピッタリ納まるカセット式のプランターも発売されており、簡単に緑化ができます。
金属屋根の施工面での特徴として「カバー工法」があります。これは既存の瓦やスレート屋根を残したまま、その上に金属屋根をカバーするように施工する方法で、施工は短期間でありながら、美観や遮音性の向上・断熱効果などが得られます。
金属屋根の形状は、通常の平板以外に和瓦や洋瓦の形状にプレスしたものや、先に述べた凸凹の折版型などがあります。曲げ加工が容易であるため、シリンダー型や折り紙型の屋根、寺院などの複雑な形状にも対応できます。
金属は使用後に端材まで含めてリサイクル可能な素材であることや、他の素材に比べメンテナンス頻度も低いことから、二酸化炭素削減の面でも評価されています。
(建築家・中村義平二)

























