ニッテイG 擁壁でRZ解除、マンション竣工 土地取得から14年かけ事業化
住宅新報 2021年7月27日 号 5面

建物外観。写真左側が施工された擁壁
「セリュークス横浜大岡」は、横浜市営地下鉄弘明寺駅から徒歩7分で、関内駅など横浜中心エリアへのアクセス利便性と都市郊外の住環境を兼ね備えた立地。しかし周辺エリアは起伏が多く、同物件の開発地も崖地に面した立地のため、大雨による災害等のリスクが想定されてもいた。
ニッテイグループが当該土地を取得したのは07年。リーマンショックの影響もあり、活用事業が具体化せず保有を続けていたところ、16年に当該土地がレッドゾーンに指定され、規制によりマンション建設が極めて困難となった。しかし同グループは、その後も事業化の方法を模索。19年7月ごろから、崖地補強によるレッドゾーン解除とマンション建設を目指して行政との折衝を繰り返した。
そうした中、同年に発生した台風により当該土地に隣接する崖が崩れたため、即座に防災工事に着手し約5カ月かけ擁壁を建設。更にその約6カ月後にレッドゾーン指定の解除が認められ、今回の物件が実現した。
地域への貢献を実感
危険な崖地に擁壁工事を施し、政・官・民の連携と協力の下にマンション開発を実現したという希少な例だが、その道のりは険しかった。プロジェクトの本格始動から約2年、特に擁壁工事完了からレッドゾーン解除までに半年を要しており、資金繰りの面でも民間企業が容易に検討できる事業計画ではない。
しかしニッテイHDの佐々木啓常務は、「当プロジェクトをモデルケースとして、行政手続きが大きく変わる見込み」と語り、「同じパターンの事業を今後も検討していきたい」と展望を話す。またその動機の一つとして、〝地域への貢献〟を挙げる。
同物件は地域の生活道路に隣接しており、平日の日中にも少なくない数の住民がこの道を往来していた。実際に崖崩れが起きている土地ということもあり、近隣住民から災害への不安の声は多かったという。佐々木常務は「近隣住民の安全確保と共に、若い住民の増加につながる住宅の提供を通じて地域の発展に貢献できた実感もあり、感慨深いプロジェクト」と振り返る。
建物は鉄筋コンクリート造・4階建て。間取りは1K~1DKで、専有面積は約21~25m2。隣接する崖地に施した高さ約14.5メートルの擁壁工事により、事業コストは建物のみと比べ約2割増加した。
竣工に先んじて販売を開始しており、「売れ行きは好調」(佐々木常務)。加えて、横浜中心エリア勤務者を中心に賃貸の入居希望者が多く、高い人気を博しているという。





















