料理では調味料を入れる順序を「さしすせそ」にすると良いと言います。砂糖→塩→酢→正油(醤油)→味噌の順番に入れれば食材の味が引き立つという、先人の教えです。人気建築家や巨匠が設計した建築の鑑賞時にも、より理解を深めるための「さしすせそ」があります。
まずは「さ」ですが、これは建築の建っている場所や環境、すなわちサイトです。そのサイトをどのように解釈して、建築を存在させているのか。具体的には環境への同化や対比、建築物の軸設定、全体のビスタ(眺望)などをチェックすることで、建築の個性が浮き上がっています。建築設計では環境への取り組みが大きなテーマであり、対比や同化、方向性(軸設定)がデザインのキーになることが少なくありません。
次は「し」ですが、これはシルエット(形状感)です。密実なガチッとした造形なのか、トランスルーセント(半透明)な造形なのか、フレームで空間を仕切るような完全な透け感を重視した造形なのか――。全体のシルエットはその建物の記号性(アイコン)を示しています。優れた建築デザインは強い記号性を持っているものが数多くみられます。

























