ADRの現場から 不動産会社が知っておくべきトラブル解決ノウハウ 166 日本不動産仲裁機構 コスト面からADRを選択した事例
住宅新報 2021年5月18日 号 9面
連載: ADRの現場から
改めて、ADRとは「より当事者の求める形」でのトラブルの解決を図るためにつくられた制度であり、その特徴であると共に通常の裁判との違いは、「当事者間の自由な意思と努力に基づいて紛争の解決を目指す」ということです。
これによって、裁判に比べて、簡易・低廉・柔軟さをもったトラブル解決が可能になるとともに、トラブルが発生した際に「覚悟を決めて裁判を起こす」もしくは「面倒ごとは嫌なので泣き寝入りをする」という両極端な二択の中間的な判断として「まずは話し合いによる解決を目指す」という選択肢を消費者がとることができるようになります。また、裁判は費用がかかりすぎてしまうため、コスト面から、裁判でなくADRを選択する人もいます。今回は、本来であれば裁判をしたいといったところ、費用の兼ね合いでADRの実施を選んだ相談事例を紹介します。
まずは、大規模なマンション開発に被害を被ったA氏です。A氏は神戸市内の商店街で飲食店を営んでいましたが、商店街の向かい側で大規模なマンション建設があり、建設前の解体工事の振動でA氏の建物に損傷が生じてしまいました。苦情を入れて損害金の支払いを受けましたが、その後の工事で更に損傷が増え、その補修を求めたものの、業者側から恫喝を受けるなどしている状況となってしまいました。
























