ADRの現場から 不動産会社が知っておくべきトラブル解決ノウハウ 164 隣人に関するトラブル相談事例 日本不動産仲裁機構
住宅新報 2021年5月4日 号 9面
連載: ADRの現場から
戸建てでも、集合住宅でも、隣人トラブルは発生します。例えば「スピーカーで音楽を大音量で流している」「楽器を演奏したり歌を歌っている」といった騒音に関するトラブルやペットやゴミといった臭いに関するトラブル、更に、建物の一部や植物など、隣家の私物がはみだして侵入してきてしまっているといったトラブルがあります。
当然、物件を借りたり買ったりする際は、その物件が問題ないか、前もって確認をします。しかし、隣人トラブルに関しては、いざ住んでからトラブルの種が発覚してしまうというケースも少なくありません。隣人トラブルは、当然のことながら「隣人次第」で発生してしまうため、予見できないものも多いのです。自分自身が住んだ後に引っ越してきた隣人とトラブルになるケースも多いでしょう。今回は、隣人に関するトラブル事例を紹介します。
まずは、隣の建築物に悩まされていたA氏です。A氏の家の隣(南側)の土地を、自宅と賃貸併用の5階建てを建てるために買った人がいました。今までその土地は2階建てのアパートであり、A氏の自宅は何十年もの間日影になることなく、日光を存分に受けて過ごすことができていました。しかし、5階建てが建ってしまうと8時~16時にかけて4~6時間も日影になってしまうのです。利益を得る目的で建てる5階建て住宅のために、A氏は、先住していた自分たちが長時間日影の生活を強いられるのは受忍限度を超えると考えていました。
続いても、隣の建築物に悩まされていたB氏です。B氏は、注文住宅メーカーで家を建築中でしたが、隣地の家から住宅メーカーを通して目隠しを要求されていることが分かりました。B氏としては寝耳に水の話であり、土地探し、設計も同住宅メーカーが行っている事から、設計段階で、目隠しについて要求されていることを教えてもらい、設計にも考慮して欲しかったと住宅メーカーに伝えましたが、住宅メーカーの営業マンはその旨を口頭で説明していたと弁明。
ここで、B氏は、住宅メーカーが、設計から建築申請申し込みまでの段階で、目隠し請求について書面で説明しなかった事について発生したこの問題とそれに掛かる費用、以後起きうるであろう問題(他の隣地からの同様の申し出)、B氏が被った精神的苦痛等について、賠償をしてもらいたいと考えていました。
最後は、隣の空き家に悩むC氏です。C氏の隣家は阪神大震災で倒壊して以来20年以上手つかずの状態で、草木がのび放題となっており、大きな木がC氏の土地までかぶさってきている状態でした。市に陳情して何度も改善してもらうよう空き家の持ち主に指導してもらっていましたが、「なんとかします」という返事だけで実情は全く手つかずでした。ここで、C氏は改めて直接空き家の持ち主と話し合い、この問題を解決したいと考えていました。
























