明海大学不動産学部 不動産の不思議 学生たちの視点と発見 第380回 建物と車の共存 街並みの視点を取り入れ改善
住宅新報 2021年4月20日 号 4面
【学生の目】
不動産学を学び始めて3年目を迎え、日課の犬の散歩をしていても、建物や街並みを不動産学の視点で見るようになってきた。その中で、不動産というのは建物だけでなく、外構や緑なども密接に関わっていることを改めて感じる。
大学のある浦安の住宅街で、3軒並んだ戸建て住宅に目が留まった。建物の前に車を置く設計で、建物よりも車が主役のように見えるからだ(写真)。ここでは駐車場に屋根がないが、自宅近くには2台分の駐車場を覆うカーポートが敷地いっぱいに建てられ、建物がほとんど見えない住宅がある。前を通ると圧迫感を感じるだけでなく、後付けしたと思われるカーポートを含めた建ぺい率は合法かと疑う気持ちにもなる。
建物の間取りだけを考えると、写真のように建物はなるべくシンプルな矩形(くけい)にして残りの部分を駐車場にすることが合理的に思える。四角型の建物は耐震性が確保しやすく、防水工事も簡単だ。建築費を抑えられることに加えて、玄関までの動線も分かりやすい。また、写真のような縦列駐車は奥行き方向の長さが短い、運転に自信がない人でも駐車しやすい、速いスピードで道路に飛び出すことがなく歩行者が安全という長所もある。
建物にも駐車にも利点が多い一方で、建物、車、緑などを合わせた街並みの視点が弱いように思える。そこで、これらを一体化して考え、街並みを改善する方法を考えた。
第1に、並列駐車にする方法だ。車の見える長さが半分程度になることに加え、道路側は高さの低いボンネットになるので、車の存在感が小さくなる。建物の平面形状はL字型になるが、力のある設計士には面白いデザインにまとめるチャンスだ。建物の一部が道路に接近するが、道路との間を緑化すれば街並みの改善も期待できる。
第2に、縦列駐車を工夫する方法だ。敷地ごとに縦列駐車を完結しようとすると、進入部分が必要となり、間口全体が駐車スペースになってしまう。2軒の住宅が協力し、進入部分を共用すれば駐車場の長さを節約できる。生まれた部分の緑化で街並みの改善が期待できる。
第3に、床面を工夫する方法だ。床の仕上げ面よりも少し低い土の部分をつくり、タイヤに踏まれないように芝やリュウノヒゲなどを植え込み、目地状に緑をつなげる。緩やかな緑の曲線が加われば柔らかい街並みに生まれ変わることが期待できる。
【教員のコメント】
不動産業ビジョン2030~令和時代の『不動産最適活用』に向けて~(平成31年4月)は今後10年の指針で、官民共通の目標に「不動産教育の充実」を設定した。不動産リテラシーを高める不動産関係者の主導的役割が期待されている。























