2021 宅地建物取引士受験セミナー (13)
住宅新報 2021年4月13日 号 9面
【問題2-11】
令和3年4月1日から、AがB所有の甲地を賃借して乙建物を所有している場合に関する次の記述のうち、借地借家法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
(1)Bは、弁済期の到来した最後の1年分の借賃債権について、乙建物の上に先取特権を有するが、当該先取特権が効力を保存するためには、甲地に賃借権の登記があることが必要である。
(2)Aが更新の後に、残存期間を超えて存続すべき建物を新築するにつきやむを得ない事情があるにもかかわらず、Bが承諾しないときは、一定の場合を除き裁判所は、Aの申立てにより、Bの承諾に代わる許可を与えることができる
(3)CがAから乙建物を譲り受けようとする場合に、Cが賃借権を取得してもBに不利となる恐れがないにもかかわらず、Bが承諾しないとき、その承諾に代わる裁判所の許可の申立ては、Cではなく、Aが行う。
(4)Dは、甲地につきAからの適法な転借人であるが、自ら対抗力を備えていなくても、Aが登記されている乙建物を所有しているときは、Aの賃借権を援用して、転借権を第三者に対抗できる。
【問題2-12】
令和3年4月1日に、AはBと、B所有の甲建物につき居住目的で、期間3年の賃貸借契約(以下、本件契約という。)を締結している場合に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定によれば、正しいものはどれか。
(1)Aが契約期間の満了の6カ月前に、正当事由のある更新拒絶の通知を受けていたが、期間満了後も使用継続していた場合、Bは、遅滞なく異議を述べれば、本件契約の更新を阻止できる。
(2)Aが相続人なくして死亡した当時、Aと同居している内縁の妻Cがいた場合、Cは、原則として、引き続き居住することができるが、Aの未払いの賃料債務を引き継ぐことはない。
(3)Aが適法に甲建物をDに転貸している場合、Dの転借権は保護されるべきであり、BがAとの間の本件契約を合意によって解除しても、一切Dに対抗できない。
(4)Eが甲建物を適法に転借している場合に、AB間の本件契約が期間の満了により終了することを知っているときは、BがEにその旨の通知をしなくても、Bは、本件契約の終了をEに対抗できる。
【問題2-13】
建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1)ある階段を、それを使用する区分所有者のみの共用部分とした場合、当該階段に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないものは、区分所有者全員の管理とすることはできない。
(2)専有部分が共有となっている場合、全ての区分所有者に集会参加の機会を保証するため、集会開催の通知は共有者全員に対して行わなければならない。
(3)マンションの階段をエレベータ―に改造する場合は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の集会決議が必要であるが、区分所有者の定数だけは規約で過半数に減ずることができる。
(4)区分所有者は、規約に別段の定めがない限り、集会の普通決議によって管理者を選任し解任できるが、解任を決議するには、管理者に不正な行為等その職務を行うに適しない事情が必要である。
【問題2-14】
不動産登記に関する次の記述のうち、不動産登記法の規定によれば、誤っているものはどれか。
(1)埋立てによって新たに生じた土地の所有権を取得した者は、その所有権取得の日から1月以内に、表題登記を申請しなければ10万円以下の過料に処せられる。
(2)土地に関する合筆の登記の申請は、所有者本人の確認のため、合筆前の全ての土地の所有権の登記名義人の登記識別情報を提供しなければならない。
(3)仮登記も、原則として、共同申請で行うが、仮登記義務者が仮登記をすることを承諾した場合、仮登記権利者は、その承諾を証する情報を添付して、単独で申請することができる。
(4)登記事項証明書の交付は、原則として、誰でも利害関係を有することを明らかにすることなく、一定の手数料を払えば、郵送やインターネットを使用して請求できる。
【問題2-15】
都市計画法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)田園住居地域は、農業の利便の増進を図りつつ、これと調和した低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するために定める地域である。
(2)市街地開発事業は、市街化区域、区域区分が定められていない都市計画区域及び市街化調整区域内において、一体的に開発する等の必要性がある土地の区域に定めることができる。
(3)都道府県は、関係市町村の意見を聴き、かつ、都道府県都市計画審議会の議を経て、都市計画を決定するが、国の利害に重大な関係がある都市計画については、あらかじめ、国土交通大臣に協議し、その同意まで得なければならない。
(4)都市計画事業の認可の告示があった後、当該認可に係る事業地内で、当該事業の施工の障害となるおそれのある土地の形質の変更を行う者は、都道府県知事等の許可を受けなければならない。
【問題2-11】 正 解 (1)
(1)は誤りで、正解。
借地権設定者は、弁済期の到来した最後の「2年分」の地代等について、借地権者の所有建物に先取特権を有する。この先取特権は、地上権又は土地の賃貸借の登記をすることでその効力を保存する(借地借家法12条1項・2項)。
(2)は正しい。
借地契約の更新後の建物の再築の許可に関する規定である。同法18条1項。
(3)は正しい。
借地権者が借地上の建物を第三者に「譲渡する場合」に、借地権設定者が賃借権の譲渡又は転貸を承諾しないとき、その承諾に代わる裁判所の許可を求めるのは「借地権者」であり、第三者ではない(同法19条1項)。
(4)は正しい。
原借地権が対抗要件を具備しており、かつ転貸借が適法ならば、 転借人は賃借人の借地権を援用して、第三者に自己の転借権を主張できる(同法10条、最判昭39.11.20)。
【問題2-12】 正 解 (1)
(1)は正しく、正解。
賃貸人が正当事由のある更新拒絶を所定の期間内に通知したにもかかわらず、期間満了後も賃借人が使用を継続する場合、賃貸人が遅滞なく異議を述べないと、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなす。借地借家法26条。
(2)は誤り。
居住用建物の賃借人が相続人なしに死亡した場合、その当時、賃借人と事実上夫婦の関係にあった同居者は、賃借人の権利義務を承継する。この場合は、建物の賃貸借関係に基づき生じた債権又は債務は、その承継者に帰属する。同法36条。
(3)は誤り。
賃借人が適法に賃借物を転貸した場合、賃貸人は、賃借人との間の賃貸借を合意により解除しても転借人に対抗できない。ただし、その解除の当時、賃貸人が賃借人の債務不履行による解除権を有していたときは対抗できる。民法613条3項。
(4)は誤り。
建物の賃貸借が期間の満了又は解約の申入れによって終了するときは、建物の賃貸人は、建物の転借人に「その旨の通知」をしなければ、その終了を建物の転借人に対抗することができない。借地借家法34条1項。
【問題2-13】 正 解 (3)
(1)は誤り。
本肢の階段のように、一部の区分所有者のみに使用される共用部分を一部共用部分という(建物の区分所有等に関する法律3条)。区分所有者全員の利害に関係しない一部共用部分でも、全体の規約に定めれば区分所有者全員の管理となる。同法11条、16条、30条2項。
(2)は誤り。
専有部分が共有に属するときは、共有者は議決権を行使すべき者(議決権行使者)1人を定めなければならない(同法40条)。通知はこの者(その者がないときは、共有者の1人)にすれば足りる。同法35条2項。
(3)は正しく、正解。
共用部分の重大な変更(本肢の改造はそれに該当する)は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議で決する。ただし、この区分所有者の定数は、規約でその過半数まで減ずることができる。同法17条1項。
(4)は誤り。
管理者に不正な行為等「職務を行うに適しない事情」があるときは、各区分所有者は、その解任を裁判所に請求することができる。集会の決議で解任するには、そうした事情は不要である。同法25条。
【問題2-14】 正 解 (2)
(1)は正しい。
新たに生じた土地又は表題登記がない土地の所有権取得者は、その取得の日から1月以内に、表題登記を申請しなければならない(不動産登記法36条)。怠ると10万円以下の過料に処せられる。同法164条。
(2)は誤りで、正解。
所有権の登記がある土地の合筆の登記の申請には、当該合筆に係る土地のうち「いずれか一筆の土地」の所有権の登記名義人の登記識別情報を提供すれば足りる。不動産登記令8条2項。
(3)は正しい。
仮登記は、仮登記の登記義務者の承諾があるとき(承諾を証する書面を添付)及び仮登記を命ずる処分があるときは、当該仮登記の登記権利者が単独で申請することができる。同法107条。不動産登記令7条。
(4)は正しい。
何人も登記官に対し、手数料を納付して、登記記録に記録されている事項の全部又は一部を証明した書面(登記事項証明書)の交付を請求することができる。同法119条1項、不動産登記規則194条。
【問題2-15】 正 解 (2)
(1)は正しい。
田園住居地域の定義である。都市計画法9条8項。
(2)は誤りで、正解。
市街地開発事業は、市街化調整区域には定めることができない。同法13条1項12号。
(3)は正しい。
同法18条1項、3項の通り。
(4)は正しい。
許可の対象は、土地の形質の変更の他、建築物の建築その他工作物の建設、重量5トン超の物件の設置・堆積である。また、許可権者は都道府県知事等であり、施行者ではない。同法65条1項。
























