ADRの現場から 不動産会社が知っておくべきトラブル解決ノウハウ 157 中古住宅購入に関する相談事例 日本不動産仲裁機構
住宅新報 2021年3月16日 号 8面
連載: ADRの現場から
日本不動産仲裁機構には、日々、消費者からADRを見据えたトラブル相談が寄せられています。今回は、中古住宅購入に関する相談事例を紹介します。
まずは、設備の不調や故障に悩んでいたA氏。引渡し直後から給湯器や水道、換気扇の故障が相次ぎ総額40万円超の修理費用が発生してしまいました。A氏は瑕疵担保保証付きで売買契約を結んでいたので、本来は売主に請求すれば問題なかったのですが、売主は諸事情によりメンタル上の問題を抱えている上に、極めて経済的に逼迫しているとのことで、引渡し直後から全く連絡が付かない状態となっていました。なお、売主が好ましくない状況にあるということを、A氏は仲介をした不動産会社から聞きました。
A氏の怒りは不動産会社に向けられていました。なぜならば、この不動産会社が新築時にこの物件を売主に販売したという経緯があり、当初から中立な仲介業者ではなく、売主側に寄ったスタンスが透けて見えていたと共に、事実上瑕疵担保責任を果たせない売主を紹介されたと感じたからです。A氏は不動産会社に修理費用を負担させることができないかと考えましたが、そこまで高額な損害でなかったため、裁判をすると費用がかかってしまうため、ADRでの解決を希望していました。
























