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スタンダード会員限定ADRの現場から 不動産会社が知っておくべきトラブル解決ノウハウ 154 賃貸借契約に関する相談事例 日本不動産仲裁機構

住宅新報 2021年2月23日 号 18面

連載: ADRの現場から

資格・実務

 今回は、賃貸借契約に関する相談事例を紹介します。

 まずは、外国人社員の寮として不動産会社と賃貸借契約を結んだA社の事例です。外国人社員が居住中のある週末、本人不在時にベランダに置いてあったソファーより発火してしまいました。発火原因は、上層階からのタバコの投げ捨てと考えられたのですが、不動産会社側からは、「本来であれば物を置いてはいけないベランダに物を置いていたのも要因の一つ」とし、敷金全額を部屋の復旧工事の費用の一部に充てると通達されました。A社としては、ベランダに物を置いていたという落ち度はあるが、預けた敷金を全額使用されるというのは納得ができず、ADRによる話し合いで賠償額の減額を打診しようと考えていました。

 次に、多額の原状回復費用を請求されてしまったB氏の事例です。B氏は、ある戸建て賃貸物件への入居を検討していたのですが、二階建て部分が古すぎるため改装したい旨を、仲介してくれた不動産会社に伝え、80万円程度で改装して使用していました。しかし、退去の際に貸主から220万円もの原状回復費用の請求書を送られてしまいました。B氏としては、そもそも、不動産会社の了解を得た=貸主の了解を得た、と認識して改装をしており、わざわざ以前の状態に戻すことに納得できかねると共に、「なぜそのまま使用しようと思わないのか」と理解ができませんでした。したがって、B氏はまずは話し合いで原状回復を求める貸主と真意を知ると共に、改装時に不動産会社からの報告がなかったのであれば、不動産会社に責任を追及しようと考えたため、ADRの実施を検討していました。

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