ADRの現場から 不動産会社が知っておくべきトラブル解決ノウハウ 149 日本不動産仲裁機構 新型コロナウイルスが引き起こす不動産トラブル
住宅新報 2021年1月19日 号 8面
連載: ADRの現場から
2021(令和3)年の幕開けも、新型コロナウイルスとともにありました。1月8日には首都圏一都三県に緊急事態宣言が発令され、更なる蔓延が危惧されています。コロナウイルス関連の損害に見舞われている業界としては、飲食や観光などが第一に挙げられますが、不動産業界もコロナトラブルに見舞われています。今回は、コロナウイルスが引き起こした人と人とのトラブルについて紹介していきたいと思います。
まずは、賃貸オーナーと入居者のトラブルです。コロナ蔓延の影響で今まで通りに仕事や商売ができず、売上が落ち込んでしまったために家賃を支払うことが難しくなってしまい、賃料の減額請求をしたが受け入れられず、トラブルになってしまったというものです。ある神奈川県の飲食店オーナーは、客数の激減や自治体からの休業要請で売上が落ちてしまったので、賃貸オーナーに「天災のようなコロナウイルスの影響で売り上げが落ちたのだから、賃料を減額するのは当然である」と主張をしたのですが、受け入れられませんでした。
しかし、この時点で厳密にはトラブルにはなりません。なぜならば、コロナウイルスの影響というような背景があったとしても、賃貸人と賃借人の契約に影響を与えることはないからです。休業要請を受けた業種が入居している場合など、各地方自治体が賃料減免の配慮要請に応じた賃貸オーナーに対して減免した賃料に対する支援などをしていますが、これもあくまで要請です。結果的に家賃を滞納してしまい、これがなかなか支払われないということがトラブルとなったのです。
























