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住宅新報 2021年1月19日 号 8面

連載: 2021宅地建物取引士受験セミナー

資格・実務

【問題1-1】

 制限行為能力者の行為の効力に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。

(1)未成年者AがBに金銭を貸し付けている場合、Aは親権者の同意を得なければ、Bから当該貸金の領収をすることができない。

(2)成年被後見人Cが自己所有の土地についてDと売買契約を締結した当時完全な意思能力を有していたときは、Cは当該売買契約を取り消すことができない。

(3)家庭裁判所は、被補助人Eのために特定の法律行為について、Eの請求により、補助人に代理権を付与する旨の審判をすることができる。

(4)未成年者Fの法定代理人Gが被保佐人である場合、Gが保佐人の同意を得ずにFの法定代理人としてFの不動産を売却したときは、Fは当該売却行為を取り消すことができる。

【問題1-2】

 AからB、BからCへとA所有の甲地が順次売買された場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

(1)Aが差押えを免れるため、Bと通謀してBに登記を移転した場合、Cが善意であれば、Cから更に甲地を買い受けたDが悪意であっても、DはAの甲地の返還請求を拒むことができる。

(2)AがBの強迫により甲地を売却し、Bが甲地をCに売却した場合、AはCが善意でかつ過失がなくても、Cに甲地の返還を請求することができる。

(3)Aの意思表示が意思表示に対応する意思を欠く錯誤に基づくものであり、その錯誤がBとの売買契約の目的及び取引上の社会通念に照らして重要であるときは、その意思表示を取り消すことができるが、AはCが善意でかつ過失がなければ、その意思表示の取消しをCに対抗することができない。

(4)AB間の契約がBの詐欺による場合、Aに重大な過失があれば、Aは、AB間の契約を取り消すことができない。

【問題1-3】

 Aが、Bの委任状を偽造してBの代理人としてCにB所有の甲地を売却する契約を締結し、移転登記をした場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

(1)Cは、Aに代理権がないことを知っていた場合でも、Bの追認がなされるまでの間であれば、当該売買契約を取り消すことができる。

(2)Bが当該売買契約を追認すると、当該売買契約は別段の意思表示がない限り、当該追認の時からその効力が生じる。

(3)BがCから代金を受領した場合でも、Bは当該契約の無効を主張することができる。

(4)Bが死亡しAが単独でBを相続した場合、Cは甲地の所有権を当然に取得することができる。

【問題1-4】

 次の記述のうち、民法の条文に規定されていないものはどれか。

(1)条件が成就することによって不利益を受ける当事者が故意又は過失によってその条件の成就を妨げたときは、相手方は、その条件が成就したものとみなすことができる旨。

(2)債務の履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして不能であるときは、債権者は、その債務の履行を請求することができない旨。

(3)当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができる旨。

(4)弁済をする者は、弁済と引換えに、弁済を受領する者に対して受取証書の交付を請求することができる旨。

【問題1-5】

 時効に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。

(1)時効は、当事者(消滅時効にあっては、保証人、物上保証人、第三取得者その他権利の消滅について正当な利益を有する者を含む。)が援用しなければ、裁判所がこれによって裁判することができない。

(2)催告があったときは、その時から1年を経過するまでの間は、時効は完成しない。

(3)人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権は、権利を行使できる時から20年間行使しないときは、時効によって消滅する。

(4)確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって確定した権利については、10年より短い時効期間の定めがあるものであっても、その時効期間は10年となる。

【問題1-1】 正 解 (2)

(1)は正しい。

 貸金の領収は、債権が消滅することになり、単に権利を得る行為に当たらず、親権者の同意を得なければ貸金の領収をすることができない。民法5条1項。

(2)は誤りで、正解。

 成年被後見人が法律行為を行った当時、完全な意思能力を有していても当該法律行為を取り消すことができる。同法9条。

(3)は正しい。

 家庭裁判所は、被補助人、補助人又は補助監督人の請求によって、被補助人のために特定の法律行為(たとえば、土地建物の売買契約)について補助人に代理権を付与する旨の審判をすることができる。同法876条の9。

(4)は正しい。

 法定代理人である被保佐人が、保佐人の同意を得ないで他の制限行為能力者Fの法定代理人として不動産を売却した場合、Fはその行為を取り消すことができる。同法120条1項、13条1項10号。

【問題1-2】 正 解 (4)

(1)は正しい。

 通謀虚偽表示がなされた場合、いったん善意の第三者Cが登場すれば、その後の転得者Dが悪意でも、転得者Dは、第三者Cの地位を承継して保護される(大判昭6.10.24)。したがって、DはAの甲土地の返還請求を拒むことができる。民法94条2項。

(2)は正しい。

 強迫による意思表示の取消しは、善意かつ過失のない第三者にも対抗することができる。同法96条の反対解釈。

(3)は正しい。

 意思表示が意思表示に対応する意思を欠く錯誤に基づくものであり、その錯誤が法律行為の目的及び社会通念に照らして重要であるときは、その意思表示を取り消すことができるが、その意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。同法95条1項・4項。

(4)は誤りで、正解。

 相手方が詐欺を行った場合は、表意者は常に意思表示を取り消すことができる(同法96条1項)。重大な過失があった場合も取り消すことができる。錯誤による意思表示と区別すること(同法95条3項)。なお、詐欺による意思表示の取消しは、善意かつ過失がない第三者には対抗できないことに注意。

【問題1-3】 正 解 (4)

(1)は誤り。

 本人の追認がなされるまで、その契約を取り消すことができるのは、相手方(C)が善意の場合に限られる。民法115条。

(2)は誤り。

 追認は、別段の意思表示のないときは、契約の時にさかのぼってその効力を生じる。同法116条。

(3)は誤り。

 本人が代金を受領した場合、無権代理行為の追認の規定(同法116条)が類推適用され、別段の意思表示がなければ契約の時にさかのぼって有効となる。したがってBは無効を主張することができない。

(4)は正しく、正解。

 無権代理人が単独で本人を相続した場合、本人自ら法律行為をしたものと同一の効果が生じる。したがって、Cは甲地の所有権を当然に取得する(最判昭40.6.18)。同法113条。

【問題1-4】 正 解 (1)

(1)は規定されておらず、正解。

 条件が成就することによって不利益を受ける当事者が「故意」によってその条件の成就を妨げたときは、相手方は、その条件が成就したものとみなすことができる。民法130条。

(2)は規定されている。

 債務の履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして不能であるときは、債権者は、その債務の履行を請求することができない。同法412条の2。

(3)は規定されている。

 当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行できなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができる。同法536条1項。

(4)は規定されている。

 弁済をする者は弁済と引換えに、弁済を受領する者に対し受取証書の交付を請求することができる。同法486条。

【問題1-5】 正 解 (2)

(1)は正しい。

 時効は、当事者(消滅時効にあっては、保証人、物上保証人、第三取得者その他権利の消滅について正当な利益を有する者を含む)が援用しなければ、裁判所がこれによって裁判することができない。民法145条。

(2)は誤りで、正解。

 催告があったときは、その時から「6カ月」を経過するまでの間は、時効は完成しない。同法150条1項。

(3)は正しい。

 人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権は、権利を行使できる時から20年間行使しないときは、時効によって消滅する。同法167条。

(4)は正しい。

 確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって確定した権利については、10年より短い時効期間の定めがあるものであっても、その時効期間は10年とする。同法169条1項。

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