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プレミアム会員限定明海大学不動産学部 不動産の不思議 学生たちの視点と発見 第365回 場違いな不動産 理由を理解し、地域の個性に

  • 吉田 勝 不動産学部3年

    1 / 2吉田 勝 不動産学部3年

  • 高層マンションに囲まれ、場違いに

    2 / 2高層マンションに囲まれ、場違いに

 【学生の目】

 外に出るには手袋とマフラーが必要なくらい寒くなった。友人と課題の調査で外に出たが、クリスマスが近づいた街はイルミネーションがきれいに輝いている。イルミネーションの輝く通りを抜けた所で気になる建物を発見した(写真)。理由は、とても目立つからだ。

 まず、イルミネーションが輝く繁華街の明るいイメージと大きく異なる外観の印象だ。次に、大きい道路沿いの地域で、周りは高層マンションが多い。高さの違いが大きく、谷間のような木造2階建てが目立つ。更に、隣が駐車場で街並みが途切れ、壁に穴が空いているように見える。その結果、普通は見えないトタン波板で覆われた建物の側面全体が見えている。普段見ることがないものを見るとドキッとするもので、気になる度合いを大きくしている。このような建物を場違い不動産と呼ぶと聞いたことがある。

 不動産には「場」、つまり地域性があり、規模、構成の内容、機能等にわたる地域特性があって、その地域の不動産の価格形成に全般的な影響を与えて、一定の価格水準を構成する(不動産鑑定評価基準)。不動産鑑定で価格を評価する際にも地域と地域の特性が重要な項目である。

では、どうして場違い不動産ができたのだろうか。

 それはこの一角が「移行地」だからだろう。もともと繁華街に続く低層の店舗併用住宅地域だったものが高層分譲マンション地域へと変化する途中のようだ。そう考えると場違いなのは、むしろ高層マンションのほうだ、とこの建物は語っているようにも思える。タコ焼き屋をしているのだろう、少し色が薄くなった大きいタコの絵が描いている。都市が開発されていく中で店を続けたいという店主の思いがあり、今の状況が生まれたのだろう。

 たまにこの通りを通り、お店が開いているのを見かける。建物の価値や土地利用としてはもったいない気もする。隣が駐車場になっていることから、周囲の土地も含めて一体化すれば、立派な中高層マンションが建てられ、価値も高まる。店舗が営業をやめ、開発できるようになるのを待っているのが実態かもしれない。しかし、人の心は経済的な合理性のみを求めるものではないため、そう簡単な話ではないのだろう。

 場違いの理由を理解し、過去と現在、更には将来を思い描いて、当分の間、場違いを地域の個性と捉えて、この状態を楽しみたい。

 【教員のコメント】

 開発素地の価格は開発収入が得られるまでの時間が大きく影響する。開発を待っている状態は避けたいところだ。土地利用の多様性や古いものへの憧憬が高まる中、敷地間の容積率移転を容易にすれば時間と空間の両面の課題を同時に解決できる。

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