変わる中小オフィス市況 「出社率」キーワード 経済回復後も満足度の高いオフィスに移転需要
住宅新報 2020年12月22日 号 8面
オフィス面積は縮小するが、立地やビルグレードなどをアップして従業員が満足するビルに移転――。東京都心の中小オフィスビルのマーケットで、テナントのそんな動きが一つの特徴としてクローズアップされてきた。特に渋谷区のようにITリテラシーの高いベンチャー系企業が集積する地域ではこうした動きに敏感だ。三幸エステートのチーフアナリスト、今関豊和氏によると、新型コロナウイルスの影響でテレワークが定着し、テナントサイドでのオフィス選びに「出社率」が変数として加わったと指摘する。
新たな変数となる出社率の算定は、ITリテラシーの高いベンチャー企業のごく一部を除き、ほとんどが試行錯誤の段階だ。今関氏による「今は、仮の出社率として例えば5割などをスタートの設定数値として業務が回るかどうかシミュレーションをしているレベル。適正な出社率が分かればそこからオフィスの面積を算出することができる」と話す。残りを在宅にするのか、サテライトにするのか、会社の勤怠管理、福利厚生、評価などの制度との整合性といった課題を解決することで、出社率が決まってくる。
東日本大震災後にBCP(事業継続計画)が求められたように、コロナ後のオフィスにも求められる機能が変化しているが、BCPが大企業を中心としていたのに対し今回のオンライン移行による出社率低下は大企業から中小企業まで裾野が広い。ただ、反応は、ITリテラシーが高く小回りのきくベンチャー系企業が圧倒的に早い。
























