ADRの現場から 不動産会社が知っておくべきトラブル解決ノウハウ 147 12月15日、「サブリース新法」施行 日本不動産仲裁機構
住宅新報 2020年12月22日 号 8面
連載: ADRの現場から
先だって今年の6月に可決成立した「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(賃貸管理業法・サブリース新法)」が12月15日に施行されました。なお、同法は「サブリース業者(特定転貸事業者)とオーナーとの間の賃貸借契約の適正化に係る措置」と「賃貸住宅管理業に係る登録制度の創設」が骨子となっています。
前者は、サブリース業者に対して、(1)家賃支払い、契約変更に関する事項等について、著しく事実に相違する表示、実際よりも著しく優良・有利であると誤認するような広告表示の禁止、(2)特定賃貸借契約(マスターリース契約)勧誘時に、家賃の減額リスクなど相手方の判断に影響を及ぼす事項について故意に事実を告げず、または不実を告げる行為の禁止、(3)マスターリース契約の締結前に、家賃、契約期間等を記載した書面をオーナーに交付して説明する(重要事項説明)等を義務付け、これらに違反したものは業務停止処分や罰則が科せられる、というものです。
また、後者は、従来の賃貸住宅管理業者登録制度とは別途の登録制度が創設され、賃貸住宅管理業を営む事業者の登録が義務付けられるというものです。なお、こちらについては21年6月に施行される予定です。
この法律は、昨今のシェアハウストラブルのようなサブリース事業者と消費者間のトラブルが社会問題化したり、その他サブリース関連トラブルが継続的に発生し続けているという状況に対処するために誕生したものであり、サブリース事業者としては、今までどのようなトラブルが発生していたのかを把握し、反面教師としていく必要もあるでしょう。
これまでのトラブル事例を学ぶには、国土交通省と消費者庁が出している「サブリース契約を検討している不動産オーナーに対しての注意喚起」が参考になります。ここでは、トラブル事例がジャンルごとに紹介されており、サブリースに関するトラブルのパターンが分かります。ちなみにトラブルは大きく、(1)勧誘に関するもの、(2)費用負担等の契約内容に関するもの、(3)家賃の減額に関するもの、(4)事業者の対応に関するもの――に分かれています。
例えば、(3)家賃の減額に関するものでいえば、「自宅の一部を賃貸するサブリース契約を締結したが、十分な説明がないまま家賃保証額を下げられた」「15年前に両親が建てた賃貸アパートの賃料をサブリース会社が下げると言っており、ローンの返済も困難になっている」というものがあります。サブリース事業者は、このようなトラブルを発生させないために、自社では何をするのか、何を前もって消費者に伝えておくのか、しっかりと取り決めを行い、全社員に徹底する必要があるといえるでしょう。
●法務大臣認証ADR機関 日本不動産仲裁機構 電話03(3524)8013
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