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スタンダード会員限定ハトさん通信 (3) 契約トラブルの事前回避へ 「無効文例」掲載し注意喚起も 東京都宅建協同組合 特約・容認事項文例集~事例編

住宅新報 2020年12月22日 号 6面

売買・賃貸仲介
  • 飯野理事長

    1 / 2飯野理事長

  • ハトマーク

    2 / 2ハトマーク

 宅建協会会員は、全宅連書式の契約書を使うのが基本だ。しかし、それは大筋の契約事項なので、詳細は特約・容認事項で定めていくことが必要となる。この文例集は、通常の契約書には入っていないものであり、不動産取引の実務に基づいた具体例だ。今月新たに50文例が加わり、文例は750を超えた。

 例えば賃貸契約のケース。「両面テープ」に関して、次のような文例がある。

 《粘着性の強い両面テープ等を使用して、タオルハンガーやポスター等を壁面に貼付けることは厳禁とします。簡単に剥がせると表示されているテープであっても、経年により解約時にきれいに剥がせず、壁面の塗装が剥げてしまったり、クロスが剥がれてしまうことがあります。この場合は、過失による汚損・破損となり修繕・部分交換費用は乙(賃借人)の負担とする》

 事業用店舗の場合、次のような文例を加えることでトラブルの未然防止に有効だ。  

《乙(賃借人)は、営業上必要な看板(カッティングシートを含む)を設置する場合は、その位置、形状、図柄を甲(賃貸人)に示し、その承諾を事前に得なければならない。尚、看板製作費及び維持管理については乙の負担とする》

 これまでの取り組みにより、組合員の取引の質は改善したと受け止めている。クレームとして不動産相談所に寄せられていた消費者の声が減少してきたからだ。組合員の取引のトラブル防止に役立てたいという思いで作ったが、その成果を感じている。

 消費者もインターネットで様々な解決法が分かる時代。不動産事業者は日々先んじて対応策を学び、契約トラブルの未然防止に努めている。この文例集には、教育の観点から「無効文例」も掲載している。日頃、無効とは知らずに使われる可能性のある文例とその理由について解説することで注意喚起し、組合員の業務の質の向上に寄与するためだ。例えば、残置物の処理に関する無効文例は次の通り。

 《賃借人乙が本物件を明渡した後に、本物件内または建物内に乙の残置物がある場合、乙が所有権を放棄したものとみなして、賃貸人甲が任意にこれを処分することができるものとし、乙はこれに異議を述べないものとします。(一部省略)》抑止力、注意喚起という目的での使い方も考えられるが、気を付けないと契約そのものが無効になるリスクはある。次回は文例集の今後の展開について紹介する。

 いいの・いくお=東京都宅建協同組合理事長。公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会常務理事・情報提供委員会委員長。公益社団法人東京都宅地建物取引業協会 専務理事/品川区支部長。

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