全日みらい研 「空家対策大全」を策定 適切な管理・処分へ6つの提言
住宅新報 2020年12月15日 号 6面

あいさつする原嶋理事長
全日本不動産協会(原嶋和利理事長)の専属研究機関である全日みらい研究所(毛利信二所長、みらい研)は「全日空家対策大全」を策定し、12月11日、東京都内の全日会館で記者発表会を行った。同大全は全日が19年度に発表した「中期ビジョン」に基づく取り組みで、今年4月に発足したみらい研初の調査研究成果となる。
原嶋理事長は人口減少時代における空き家問題の実態把握と対策の必要性を示し、「空き家の適切な管理・処分は地域社会において一定の公益性を有するという考え方に基づいて分析を重ねた。会員はもとより、国や自治体に届けて空き家問題解決に役立てたい」と述べた。
同大全策定のための調査では、全国の全日会員180業者が回答した。各会員3事例、計500以上の事例を基に、空き家取引の経緯や成約に至らなかった原因などを分析したほか、一部会員に対する追跡調査から会員の問題意識や課題を掘り下げて考察。これらに基づき、同大全では「AI等を活用した新たな価格査定マニュアルの策定」など空き家問題改善に向けた6つの提言を記した。
毛利所長は会員の空き家取扱件数(平均15.7件)のうち約3割の4.6件が非成約になっている現状を紹介し、相続人である売主が物件の客観的状況を把握していないこと、残置物処理など空き家固有の課題について指摘した。また毛利所長は「全日会員の空き家の取り組みに関する実態と課題を捉え、利活用する事業者に役立つインプリケーションすなわち示唆的事項を列挙した」と総括。空き家の適切な管理・処分に一定の公益性があることを強調した上で、「マッチングを市場関係者のみに委ねるには市場機能の限界がある。事業者、自治体関係者等が連携し、互いの責務を果たすことが重要だ。エビデンスに基づく6点の行政要望の実現に向け、理解を広げていきたい」と述べた。























