明海大学不動産学部 不動産の不思議 学生たちの視点と発見 第359回 コンテナハウス 個性的な建物、違和感軽減に課題
住宅新報 2020年11月17日 号 4面
【学生の目】
新型コロナ感染症が再び猛威を振るっているが、外に出る人は増え続けている。そんな中、駅から帰る途中に写真の建物が目に留まった。周りの建物とは明らかに違うデザインだったからだ。
第1の特徴は、鉄骨を外に出している点だ。鉄骨は駆体に隠れるか耐火被覆をしていることが多いが、ここでは鉄骨を見せるようにデザインされている。コンテナ状のユニットでできている住戸が鉄骨の柱と梁(はり)で囲われている。第2の特徴は、住宅の形だ。切妻や寄棟の住宅が多い中、特に屋根らしい部分が見えない矩形をしている。第1の特徴と相まって、居住用の建物というより倉庫に近いものを感じる。第3の特徴は、金属製の外壁だ。集合住宅は一般にタイル、モルタルやサイディングなどを用い、平滑に造るのに対して、折半の金属板が金属を強く感じさせる。第4の特徴は、色の組み合わせだ。柱と梁が赤、外壁が黒と強烈な色を用いている。黒い外壁面を赤い柱と梁が囲っていて、コントラストが際立っている。
住宅は一般に、温かさや柔らかさを感じるように造ることが多い。少しでも多くの入居希望者を募るため、賃貸集合住宅では最も重視する要素の一つだが、この建物が放つ印象は、正反対だ。また、夏は直射日光でやけどするくらい暑くなると思われる金属製の外壁には危険な印象もある。
一方で、多数ではないにしてもメカニカルな印象や他とは異なる個性を好む人もいる。工業的で冷たい外観とは対比的に、インテリアを温かく手作り風にして対比を楽しむこともありだ。また、人生の一定期間を普通とは異なる賃貸住宅で過ごすという選択もある。建物が持つ機能的な印象からは、在宅勤務用として近隣の住民が借りる需要も考えられる。造る作業を考えると、ほとんどの部分を工場で作成するために工期が短い、柱と梁で囲んだユニット式で耐震性に優れる、移築が容易などのメリットもある。防水性を高めれば浸水被害にも強くできそうだ。
いろいろな想像や可能性をかき立てる個性的な建物を見ることは楽しい。他方、周辺住民などが抱くかもしれない違和感をどう軽減するかが課題だ。外構は一面のコンクリートだが、シンボルツリーや大きなプランターを配置するなど、異質なものがうまく混在するための配慮があるとうれしいし、その配慮が幅広い需要につながるのではないだろうか。
【教員のコメント】
コンテナに見えて基礎から造り込んだ本格建物だ。無表情な〝機械〟住宅だが耐震、断熱性に加えて特別な防音、防振性能を備えて活発な利用が可能、連結の可変性を生かしてプラスアルファの利用が可能な〝機能〟住宅になれば地域活性の点になりうる。























