不動産現場での意外な誤解 賃貸借編137 貸ビルの売却前の明け渡し合意は承継される?
住宅新報 2020年10月20日 号 10面
連載: 不動産取引現場での意外な誤解
Q 貸ビルの売買で案外多いのは、貸ビルが古いために建て替えが必要だということで、売主側が買主に対し、「入居者は、すでに次の契約更新時までに建物を明け渡すことを条件に賃料の減額に応じている」として、あたかも借主が明け渡しに同意しているかのような話が持ち込まれることです。
A このような話は、それが「明け渡し同意書」などの形でその内容が書面化されていない限り、軽々に行動すべきではありません。なぜならば、借主が仮に賃料の減額に応じたとしても、最終的な立退きに至るまでには立退料の支払問題が残っているのが普通だからです。したがって、売主側としても売却を急ぐために、「立退き交渉は新所有者との間で行う」という同意書を借主から取り付け、売却を先行させることもあると聞きます。つまり、立退料相当額(見込額)を売買代金から差し引いた上で売買契約を締結するというやり方です。
Q なるほど。しかし、そのような書面を借主から取り付けたとしても、借主と新所有者との間で話がまとまらなければ何もならないと思うのですが。
























