マン活に励む管理組合~良好なコミュニティの秘訣~ コスモ多摩川ラミューゼ【後編】 東京都大田区 居住者間の絆が強まる 空いた機械室も活用
住宅新報 2020年9月22日 号 17面
連載: マン活に励む管理組合
エレベーターの交換工事期間中の上階の住人への配慮がうれしいサプライズを生みました。
「規模の小さなマンションですから、住んでいる人はみんな顔見知り。誰がどこに住んでいるか、どこに気になるお年寄りがいるかなど、理事たちはよく知っています。対応としては特に大仰なことはせず、不安な方には重いものはなるべく事前に買っておいてもらい、もしも行き来が大変なときは、その都度理事に声をかけてもらって手伝う、ということになったんです」と理事長の是近さんは言います。その他、3階と5階の踊り場に椅子を置き、途中で休めるようにしました。
住人たちが何より喜んだのは、ある日掲示板に貼られた張り紙でした。それは、マンションに住む小学生の兄弟が手書きで作ったもので、「僕たちがお手伝いしますので、声をかけてください」と書いてあったのです。結局、事前の準備が功を奏したのか小学生の手を借りることはなかったそうですが、みんなとても元気づけられ、温かい気持ちになったそうです。
「その子たちはある理事の息子さんですが、1カ月間エレベーターが止まり、お年寄りが困ることを伝え聞き『僕たちにできることをやろう』と話し合い、張り紙を作ってくれたんだと思います。その気持ちがうれしくてみんなの励みになりました。いろいろな年代の人が住んでいるけれど、みんな子どもが大好き。会えばあいさつしたり声をかけたりして、とても大事にしているんです」と是近さん。
工事会社から油圧式から巻き上げ式に変わり、これまで使っていた機械室が空いたと話がありました。畳5畳分くらいの小さなスペースですが、改装して、住人のコミュニケーションルームにと考えました。
値下げしてもらったエレベーター工事の費用の一部を改修費に回して改装。椅子や机、備品などをみんなで持ち寄り、小さいながらも理事会が開けるくらいの設備が整いました。部屋の名前は「ココルーム」。コスモ多摩川ラミューゼの「コ」と、コミュニケーションの「コ」をとって名付けました。ドアの前に貼られたかわいい表札は、是近さんの手作りです。集会室がなかったマンションに小さな部屋が誕生したのです。
ココルームは、毎月の理事会はもちろん、防音性が高いため楽器の練習やカラオケをはじめ、ちょっとした集まりに頻繁に利用されています。「理事の1人に塾の先生がいて、その人が毎週水曜日に算数教室を開催してくれるんですよ」と是近さん。子供たちが好きな時間にやってきて、それぞれ宿題や課題に取り組み、分からないところがあれば先生に聞く、という教室で、毎週小学生数名が集まるそうです。「予想外の工事で大変でしたが、かえってみんながより仲良くなれた気がします」と是近さんはうれしそうに語ってくれました。
(取材年月:19年4月)
【マンション概要】
建物名/コスモ多摩川ラミューゼ▽所在地/東京都大田区▽階数/7階建て▽総戸数/26戸▽竣工年/1988(昭和63)年▽管理形態/全部委託▽管理会社/大和ライフネクスト▽総会開催/毎年9月▽役員数/4名+監査1名▽役員任期/1年(再任は妨げない)
























