ジェクトワン大河社長に聞く 空き家再生の市場創る 「アキサポ」推進で地域課題解決
住宅新報 2020年8月25日 号 6面

大河幹男社長
――事業成長の要因について振り返りを。
当社はマンションや戸建て、商業施設、老人ホームなど多角的に取り組むことでリスクヘッジを取っている。「建物ありき」の発想ではなく、地域性に沿った用途の建物を事前に綿密にマーケティングしてから設置するソリューション事業が特徴だ。前期は売上高2000万円から20億円規模まで計84物件の売買を手掛けた。50名体制の当社では少なくない件数だ。前々期の70件から増加しており、社員のスキルアップおよび金融機関からの信頼度向上が成長要因と考える。
コロナ禍で影響が出ているホテルやオフィスなどは一度止め、違うカテゴリーに変更する。開発から売却までの事業スパンも見直し、1年から1年半のプロジェクトにシフトする。マンションであれば低層階の開発とし、首都圏でもエリアをより絞り込む。
――注力する地域コミュニティ事業の強みと狙いは。
16年に始動した空き家活用の「アキサポ」は、首都圏の空き家を地権者から借り、地域性に沿った物件へ当社がリノベーションした後、一定期間転貸するサービスだ。空き家オーナーと3~15年の定期借家契約を結び、利用者の賃料で収益を上げていく。
空き家の使途には、(1)活用、(2)活用以外(売買・仲介)の2つがあり、アキサポは(1)に当たる。(1)の「活用」を入り口に地権者とのつながりを強化し、(2)の「活用以外」で利益を高めていく狙いだ。行政との連携も多いため、空き家情報が集まる状況をつくりたい。従来は空き家再生のリノベ費用を当社が自己負担するケースもあったが、これまでの取り組みの結果、金融機関からの融資額が増えてきたことは追い風だ。更に会社の信用度ではなく、空き家再生という名目で融資が可能となれば、〝空き家を借りて再生して貸す〟という新しい不動産市場が広がると考える。
――空き家再生市場の成長に向けた課題とは。
成功事例の一つが、大田区仲六郷のバイクガレージだ。これは相続で継いだ廃倉庫を再生したもので、第一京浜の近さと通りから奥まった立地を生かし、すぐに満車稼働となった。地域ニーズを読み解くマーケット調査を重視しており、基本的には住宅から住宅以外の建物に変更することを目指している。空き家活用事例の数と大きさも認知度向上に重要だ。当社では、渋谷の東京電力パワーグリッドの旧社宅をシェアオフィスに再生した例がリノベ費用約7000万円で最高額だが、他社や異業種とも連携を強化していきたい。今夏、戸板女子短期大学の学生と共に、初めて産学連携プロジェクトにも着手した。空き家を再生し、ビジネスマン向けのおにぎり専門店を立ち上げる計画だ。
中期的には「活用」の事例を増やすと共に、「活用以外(売買・仲介)」の取り組みにもつなげたい。空き家市場は現状で9兆円とも推測される。不動産事業者としてビジネスモデルを構築することは責務であり、事業を通して空き家の減少という社会貢献ができると考える。























