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プレミアム会員限定不動産現場での意外な誤解 賃貸借編131 建物の数量指示賃貸借というのはあるのか?

住宅新報 2020年7月14日 号 8面

連載: 不動産取引現場での意外な誤解

資格・実務

 Q 建物賃貸借契約締結後、実際の面積と契約書の面積に誤差があった場合にトラブルになるケースがありますが、賃貸借契約の場合にも「数量指示賃貸借」というのはあるのでしょうか。

 A あります。そういう賃貸借というのは判例によれば、「当事者が目的物件の実際に有する面積を確保するため、賃貸人が契約において一定の面積があることを表示し、かつ、これを基礎として賃料等が定められたものであることを要する」とされています(東京地判昭和58年3月25日、平成16年5月26日ほか)。つまり、売買契約の場合の「数量指示売買」と同じ考え方で、その数量指示売買の規定が準用されています(改正前民法565条、559条。改正後民法559条、562条~564条)。したがって、改正民法は、この数量指示売買においてその目的物の数量に不足があったときは売主が「契約不適合責任」を負うとしていますので(562条以下)、面積に不足があったときは、同条の規定によって、貸主が不足分の追完や賃料の減額等の責任を負うことになります。

 Q 改正前民法の565条の規定が改正後の562条に組み込まれているとは知りませんでした。

 A ただ、ここで1つ注意していただきたい点は、改正民法566条の「担保責任の期間の制限」の規定です。目的物の「種類」と「品質」について契約不適合があった場合には買主・借主は契約不適合責任の追及について期間の制限の規定の適用を受けるが、「数量」についてはその制限を受けないという点です。

 Q それはなぜですか。

 A 「種類」や「品質」に契約不適合があった場合には、早く請求させないと瑕疵の状況に変化が生じてしまう可能性があるので、1年以内の「通知」という期間制限の規定を設けたのだと思いますが、「数量不足」の場合には、多少請求が遅れても面積不足という状況に変化は生じないので、その必要がないと判断したのだと思います。

 Q 賃貸借の場合は、「数量指示賃貸借」以外は面積不足についての契約不適合責任が生じないように感じますが。

 A 仲介業者が適切に業務を行っている限り、そういうことになると思います。その理由については次回にお話しいたします。

渡邊不動産取引法実務研究所

     代表 渡邊 秀男

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