知って得する建物の豆知識 289 アーチ 組み合わせ多様で美しい
住宅新報 2020年6月9日 号 8面
連載: 知って得する建物の豆知識

木造建築のような軸組構造でアーチは成立しませんが、ヨーロッパや中近東のような組積造が中心の地域で、大空間を築造するにはアーチ構造が必須であり、その組み合わせも多様です。
アーチ=archの語源は古代アテネの第一執政官archonで、archonは政令を下す頂点に位置していることを示し、そこから「~の始まり」を意味するarch-やarchi-を接頭語として用います。大天使を意味するarchangel(アークエンジェル)はその例ですが、これが大工を表す言葉tectと結合して大工の棟梁を意味するarchitect=建築家になったとされます。ちなみにアルファベットのaから始まる多くの単語、例えばアルコール、アルゴン、アカデミック、アシッドなどはアラビア語が語源とされています。
アーチは梁の支点間を長く取ったり、大きな下部空間を得ることが可能であるため、大スパンの橋梁、大きな開口部を造るときに使われます。歴史的には古代エジプト、メソポタミア、ギリシャ、ペルシャなどで盛んに使われましたが多くは地下構造物でした。地下であればアーチに力が加わっても外側へ広がり、崩落する恐れがなかったからです。地上においてアーチを大きく発展させたのは、エトルリア人からアーチを学び、それを洗練させ地上構造物に応用するようになった古代ローマ人です。
























