ADRの現場から 不動産会社が知っておくべきトラブル解決ノウハウ 115 日本不動産仲裁機構 話し合い提案で相続トラブルを未然に防止
住宅新報 2020年4月28日 号 8面
連載: ADRの現場から
相続をする際に、不動産が関わってくる割合は50%以上になると言われています。これはつまり、相続トラブルに不動産が関わってくる割合もそれ相応に及んでくるということを意味しています。そして、不動産会社は、地域の方々から相続と不動産にまつわるお悩みやトラブルを相談されるケースもあると思います。
千葉県に住むA氏は農家に嫁いだ方で、ご自身が亡くなった後に二人の娘が相続トラブルでもめて、関係が壊れてしまうことを不安に思っていました。というのも、A氏は一度、ご主人が亡くなった後に相続トラブルを経験されていたからです。生前には相続対策などは一切行わず、55歳という若さで急逝されたご主人。この時に、遺産である不動産の処理に関する相談をしていた不動産会社の「売るなら今のタイミングです」という言葉に乗ってしまい、言われるがままに土地を売却したり、ご主人の弟の望むままに財産を分け与えたりしたために、同じく相続人であるA氏の二人の娘との関係がこじれてしまいました。
A氏は、この体験から相続という出来事が家族関係を壊す要因になってしまうことを知りました。だからこそ、自分が死ぬ前に何とかしておきたいという強い思いを持つに至ったのです。
























