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プレミアム会員限定不動産現場での意外な誤解 売買編132 相続人が全員分からなくても相続登記は可能か?

住宅新報 2020年3月10日 号 8面

連載: 不動産取引現場での意外な誤解

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 Q 前回、所有者不明土地と「空き家」は関係あるということで、さいたま市内の空き家が紹介されていましたが、その空き家の土地は、本当に特措法でいう「所有者不明土地」になるのでしょうか。

 A その空き家の土地について、本当に相続人が何人いるか分からないというのであれば、それはまさしく特措法2条(1)でいう「所有者の全部又は一部を確知することができない土地」ということになりますので、「所有者不明土地」になると思います。

 Q それではなぜ、相続人らしき人がいるのに、その土地上の建物が「空き家」になるのでしょうか。

 A それは、前回にも申し上げたように、その建物が廃屋同然で人が住める状況にないからです。

 Q 行政は、「特定空き家」として除却処分にしないのでしょうか。

 A その土地の一部にまだ使用可能な建物があり、その建物に相続人らしき人が住んでいるということで、当局としてもその廃屋同然の建物を「空き家」として認定できないからだというのです。

 Q しかし、なぜ相続人が何人いるか分からないのでしょうか。

 A その一番の理由は、土地については明治30年から一度も相続登記がなされていないからです。つまり、その土地の相続登記が120年以上もの間なされていないということは、昭和22年5月2日(日本国憲法の施行に伴う憲法記念日の前日)までは旧民法による家督相続の制度があったとしても、その家督相続の登記がされていないので、その一族に何らかの事情があって相続登記をしなかったか、戦争等でできなかったとしか考えられません。

 そこで、まず、その明治30年に登記された登記名義人の戸籍を取り寄せます。その後に仮に除籍、改製原戸籍の一部が入手できず、相続人の全部が把握できないとしても、その名義人の戸籍と残存する除籍または改製原戸籍簿等の謄本に加え、除籍謄本等の滅失等により「除籍等の謄本を交付することができない」旨の市町村長の証明書を提出すれば、相続登記ができるとされています(平成28年3月11日民事局長通達)。ですから、それらの取扱いも参考にし、相続人を探索していくことになると思います。

渡邊不動産取引法実務研究所

     代表 渡邊 秀男

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